目でみる日本史
ISBN:978-4-487-81630-9
定価1,430円(本体1,300円+税10%)
発売年月日:2022年07月11日
ページ数:176
判型:A5変型判
歴史的人物が見た風景を、その人が見た視点にこだわって撮影し、周辺雑学とともに紹介する写真集。
取り上げるのは、柿本人麻呂、紫式部、北条泰時など古代・中世の人物から、織田信長、徳川家康、小早川秀秋などの武将、そして、吉田松陰、吉田茂、三島由紀夫など現代史の人物まで、34名。
人物は、編年的に配列し、ページをたどりながら日本史のおおまかな流れを感じることもできる。雑学や周辺のコラムも充実。臨場感のある「日本史」への新しいアプローチとなる本。
はじめに
この本のコンセプトは、「歴史上の人物が見た風景を見に行くこと」です。
後年に作られた記念館や銅像、石碑よりも、その人が見た風景を主役にしようという試みです。
坂本龍馬を例にとれば、一般的な歴史ガイドだと高知県桂浜にある龍馬の立派な銅像が主役のことが多いです。しかし本書では、龍馬が見ていた桂浜のような風景を主役にしています。
記念館や銅像ももちろん魅力的ですが、あの歴史上の人物が見たのと同じ風景を、その人の視点で実際に見ることができる場所がまだある。それならば、その場所に行って同じように見てみようと思いました。
こうして私たちが取材して、撮影した「風景」は、34 カ所になりました。
本書では34 の風景を、見ていた人物の生年あるいは概ねそれを見ていた年代の順に配列して掲載しています。編年的な構成をとってはいますが、人物や場所など、ご自身の関心のある項目から読んでいただいてかまいません。
文は岡部敬史が担当し、写真は山出高士が担当しました。
なお、歴史上の人物の生没年や出来事などの起こった年、またその人物が見た風景の位置やその真偽については、本書で紹介している以外にも様々な説が存在しているケースがあります。
しかし、そのすべてに触れていては本書の性格も変わってしまいますので、著者の判断によって取捨選択して紹介している場合があることをお断りしておきます。また一部、その人物が見ることができなかった(でも見たかったにちがいない)景色も紹介しています。
まずは、私たちが見てきた「あの人物が見た風景」をお楽しみください。そして、その人物に興味を持ったら歴史的事実を調べてみたり、その人物を題材にした映画を見たり小説を読んだりしてから、また見てください。きっと、その人物の存在があなたの中で色濃くなればなるほど、この風景の見え方も変わってくると思います。そしていつかこの場所を訪れてみてください。きっと素晴らしい体験になると思います。
歴史は、決して教科書の中にだけあるものではありません。
今でも、実際に見て体験することができるものなのです。
岡部敬史
年表風もくじ
紫式部×日野山
北条泰時×朝夷奈切通
石田三成×笹尾山
小早川秀秋×松尾山
太宰治×三鷹跨線橋
コンテンツ
弥生人、中大兄皇子、持統天皇、柿本人麻呂、清少納言、紫式部、平清盛、源頼朝、北条泰時、竹崎季長
朝倉義景、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、佐々木小次郎、石田三成、真田信繁、小早川秀秋、平田靱負、江川太郎左衛門、勝海舟、吉田松陰、近藤勇
福沢諭吉、山縣有朋、西郷従道、東郷平八郎、夏目漱石、フランク・ロイド・ライト、正岡子規、吉田茂、川端康成、太宰治、三島由紀夫