
見つける東京
ISBN:978-4-487-81528-9
定価1,430円(本体1,300円+税10%)
発売年月日:2021年07月05日
ページ数:176
判型:A5変形
東京には「すずらん通り」が15か所以上ある!
交通情報でよく聞く「環七」「環八」…ならば、「環一」~「環六」はどこを通っているの?
間違えやすい「青梅駅」と「青海駅」
など、いま注目されている「東京論」に一石を投じる、
京都出身の著者が、上京したての自分に教えたい、多様で多層的な東京を楽しむ44の「発見」!
東京の新たなる魅力に気づき、新たな視点をもって散策や観光を楽しめる雑学写真集。
はじめに
東京には「すずらん通り」という商店街が15 カ所以上あるということをご存知でしょうか。これほどたくさんあるのは、大正期にすずらん型
の街路灯を付けたところ商店街が繁盛し、これが広まったのではないかといわれています。
江戸時代、富士山を見る場所として、「富士見坂」の名前が残るように「坂」がよく知られていましたが、今では東京に富士山が見られる坂
は少なくなり、新たな「富士見スポット」として羽田空港が人気です。
本書「見つける東京」のひとつの目的は、こういった東京の「多様性」「歴史の多層性」の面白さを、写真を用いて一目でわかるよう紹介する
ことです。
そしてもうひとつの目的は、無数にあるスポットを紹介することではなく、楽しむための「視点」、よりよく東京を知るための「視点」を知っ
てもらおうということです。ただ「視点」といっても、その数は膨大なものになります。そんななか、その視点を絞る上で指針としたのが「昔
の自分に教えたいこと」でした。私は、18 歳のとき故郷の京都からこの東京に来て、もう30 年近くが経とうとしています。30 年前、東京で新
しい生活を始めた自分に「こんなことを知っていると楽しいよ」とか「こんな視点で見れば東京がよくわかる」と伝えたいことを、この本で紹介
するものの基準として考えました。「地方から来て東京で暮らし始めた人に向けた東京の本」。作っているうちに、こんな性質を帯びてきたの
も、この本のひとつの特徴かと思います。
本書は、33 の主要項目と11 のコラムで構成されています。
主要項目は4ページ構成で、最初の2ページでその写真を掲載。そしてめくったところに、その解説とお店などの情報を紹介しています。な
お、2つの場所や建物を並べて紹介している項目では、基本的に西側にあるものを向かって左側のページに、東側にあるものを向かって右側の
ページに配置しています。ただ、文脈的に時代が古いものを左に置いたほうが読みやすいと判断した場合などは、その限りではないことをご了
承ください。
項目は、各項目名の五十音順に配列しましたが、前から順に読む必要はありませんので、パラパラとめくって気になったところからご覧くだ
さい。また11 のコラムでは、東京のグルメや、楽しみ方、著者の感じたことを綴っていますので、こちらもお楽しみください。
文は主に岡部敬史が担当し、写真は山出高士が担当しました。
なお本書の解説のもとになった歴史や文化の解釈には諸説あり、様々な例外も存在しますが、それらを網羅的に紹介することは本書の趣旨で
はありません。著者の視点によって、あるいは代表的な説にしぼって紹介していることをお断りしておきます。
本書で、東京の新たなる魅力に気づき、新たな視点をもって散策や観光を楽しんでもらえたら嬉しく思います。
岡部敬史
坂道は昔から東京の名所だった。
東京の新たな名所となった「スクランブル交差点」
東京にはたくさんの「すずらん通り」がある。
東京駅のレンガは深谷産。深谷駅は東京駅がモデル。
上野公園の西郷隆盛像と皇居前広場の楠木正成像は作者が同じ
富士見の名所、昔は坂で、今空港。