図鑑 デザイン全史

図鑑 デザイン全史
新装版

スミソニアン協会/監修 柏木博/日本語版監修 橋本優子・井上雅人・天内大樹/訳

ISBN:978-4-487-81894-5
定価6,930円(本体6,300円+税10%)
発売年月日:2026年07月29日
ページ数:400
判型:B5変型

解説:
(1)デザインのスタンダードを歴史的に網羅 
19世紀からから2020年代まで、近代・現代デザインの流れをビジュアルで解説。

(2)時代に沿ったわかりやすい構成
アーツ・アンド・クラフツ運動から、アール・ヌーヴォー、アール・デコ、モダニズム、ミッドセンチュリー・モダン、文化革命、ポストモダン、そして現代まで、時代や動向ごとにデザイナーや作品を紹介。

(3)約500名のデザイナーと約1,600点の作品をオールカラーで掲載
デザイナー…ウィリアム・モリス、ガウディ、フランク・ロイド・ライト、アキッレ・カスティリオーニ、柳宗理、ジョナサン・アイヴなど
作品…リンカーン・ゼファー、サヴォワ邸、バルセロナ・チェア、ウォークマン、iphone など
ブランド…ティファニー、無印良品、ダイソン、マリメッコなどの人気デザインブランドも多数収録

(4)プロダクトデザインや日用品も含む、幅広いデザイン分野が対象
グラフィック、タイポグラフィ、ジュエリー、建築から、工業製品、電化製品、家具食器などプロダクトデザインや日用品も含む、幅広いジャンルを豊富な作品写真で丁寧に解説。

(5)デザインの進化がひと目でわかる
自転車、カメラ、ギター、椅子など12ジャンルの特設ページで、それぞれのデザインの進化・変遷がひと目でわかる。

はじめに 文化史としてのデザインの歴史

 わたしたちは、日々の生活をより心地よいものにするために、自然環境、道具、装置に手を加えてきた。また、それまでにない新たなものを生み出してきた。そうした活動の起原は、人間の出現にまで遡ることができる。
 とはいえ、経済的な計画、生産計画、社会的環境、そして時代の美意識など多様な条件を考慮しつつ、それを実現するということは、19世紀以降に本格的に広がったといえる。つまり、心地良い環境をつくりだすことが、様々な条件を前提としたプロジェクトとしてすすめられたのは、近・現代のことである。その活動こそがデザインであった。したがって、デザインとは19世紀以降の近代における実践であったといっていい。本書が、19世紀から現代を対象にしているのもそうしたことによっている。
 本書は、これまでにない豊富な図版資料を駆使したデザイン史の書籍である。特徴的なことは、「アーツ・アンド・クラフツ運動」「アール・ヌーヴォー」などからはじまって、「モダニズム」そして「ポストモダン・現代」にいたるデザインの流れを、個々の作品に見られる形態や色彩、素材や技術の特性から的確に記述し、また、個々のデザイナーにフォーカスしていることだ。さらに、家具、陶磁器、ガラス、金工製品、テキスタイルなどの様々なジャンルについての比較検討を加えている。そのことによって、近代・現代のデザインの変容がどのようなものであったのかをわかりやすく伝えている。
 20世紀の文化に深く関わった自動車、カメラ、オーディオ、家電、コンピューター、そしてギターなどの「進化」をコラム風に挿入していることも、20世紀という時代の理解をたすけてくれる。
 歴史書でありながら、冒頭では、「色彩」「プロポーション」「かたちとフォルム」「パターンとテクスチャー」など、デザインの実践に関わる要素の持つ意味を簡潔に説明している。
 したがって、本書はデザインを学ぶ学生にとっての基本文献であるのみならず、様々なものをとおしてデザインを無意識に受け入れているわたしたちにとっても、みずからの生活のあり方を考え、理解する多くの手がかりを与えてくれるはずだ。デザイン史は、美術史や文学史そして音楽史とともに、わたしたちが身につけるべき基本的な文化史である。

『図鑑デザイン全史』日本語版監修者
柏木博

 他の基本的な文化史にくらべると、デザインの歴史は短く、モダン・デザインが未知だった時代を含めても19世紀に遡ることしかできない。一方、デザインほど短い時間のなかで変転し、革新を遂げ、人々の生活と密に関わり、社会的影響力が大きい文化は他に類例を見ない。1990年代以降はモノ・コトづくり、これらの消費という枠組みから、成果よりもつながりを求め、そのための発想・手段をデザインと捉える傾向、多義的な解釈が顕著になった。よって21世紀のデザイン、特に2010年代末から現今に至る新しい事例は評価が二分され、実体が薄い印象も与える。それでも人類は生きるためにデザインを必要とし、だからこそデザインは人々の生に供する意義を持ち続ける。

訳者代表
橋本優子

【本書の特徴】

(1)デザインのスタンダードを歴史的に網羅
19世紀から21世紀まで、近代・現代デザインの流れをヴィジュアルで解説。

(2)時代に沿ったわかりやすい構成
アーツ・アンド・クラフツ運動から、アール・ヌーヴォー、アール・デコ、モダニズム、ミッドセンチュリー・モダン、文化革命、ポストモダン、そして現代まで、時代や動向ごとにデザイナーや作品を紹介。

(3)約500名のデザイナーと約1,600点の作品をオールカラーで掲載
デザイナー…ウィリアム・モリス、ガウディ、フランク・ロイド・ライト、アキッレ・カスティリオーニ、柳宗理、ジョナサン・アイヴなど
作品…リンカーン・ゼファー、サヴォワ邸、バルセロナ・チェア、ウォークマンなど
ブランド…ティファニー、無印良品、ダイソン、マリメッコなどの人気デザインブランドも多数収録

(4)プロダクトデザインや日用品も含む、幅広いデザイン分野が対象
グラフィック、タイポグラフィ、ジュエリー、建築から、工業製品、電化製品、家具食器などプロダクトデザインや日用品も含む、幅広いジャンルを豊富な作品写真で丁寧に解説。

(5)デザインの進化がひと目でわかる
自転車、カメラ、ギター、椅子など12ジャンルの特設ページで、それぞれのデザインの進化・変遷がひと目でわかる。

著者情報

スミソニアン協会(スミソニアンキョウカイ)
1846 年に設立されたスミソニアン協会は、19の博物館とギャラリー、国立動物公園などを有し、一般教育、芸術、科学、歴史などの分野における学術研究に専念するとともに、奨学制度(スカラシップ)なども設ける、世界最大級の博物館群であり総合研究機関である。

著者情報

柏木博(かしわぎひろし)
デザイン評論家。武蔵野美術大学名誉教授、英国王立芸術大学(RCA)名誉フェロー。専攻は近代デザイン史。著書に『デザインの20世紀』(NHK出版、1992年)、『日用品の文化誌』(岩波書店、1999年)、『モダンデザイン批判』(岩波書店、2002年)、『デザインの教科書』講談社、2004年)、『視覚の生命力 イメージの復権』(岩波書店、2017年)など、監修書に『色彩 色材の文化史』( 創元社、2007 年)、『図鑑デザイン全史』(東京書籍、2017年)など、展覧会の監修に「田中一光回顧展」(東京都現代美術館、2003年)、「電脳の夢」(パリ日本文化会館、2003 ~ 2004年)などがある。

著者情報

橋本優子(はしもとゆうこ)
宇都宮美術館専門学芸員。京都工芸繊維大学大学院修士課程修了。専門領域は、近・現代のデザインと建築、デザイン教育。日本フィンランド協会会員、鉄道建築協会会員。著書に『フィンランド・デザインの原点 くらしによりそう芸術』(東京美術、2017年)、『デザイン史を学ぶクリティカル・ワーズ』(共著、フィルムアート社、2006 年)、『ヴェルナー・パントン作品集』( 共著、河出書房新社、2010年)、『DESIGN ふたつの時代 60s vs 00s』(共著、DNP アートコミュニケーションズ、2011年)など、訳書に『図鑑デザイン全史』(共訳、東京書籍、2017年)などがある。

著者情報

井上雅人(いのうえまさひと)
武庫川女子大学生活環境学部准教授。服と本のセレクトショップ「コトバトフク」運営スタッフ。東京大学文学部および文化服装学院卒業。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学。専攻はデザイン史、ファッション史、物質生活史。著書に『洋服と日本人 国民服というモード』(廣済堂出版、2001年)、『洋裁文化と日本のファッション』(青弓社、2017年)、『ファッションの哲学』(ミネルヴァ書房、2019年)など、訳書に『図鑑デザイン全史』(共訳、東京書籍、2017年)などがある。

著者情報

天内大樹(アマナイダイキ)
静岡文化芸術大学デザイン学部講師