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ビジュアル大図鑑 中国の歴史

ビジュアル大図鑑 中国の歴史

DK社/編 佐川英治・岸本美緒/日本語版監修

ISBN:978-4-487-81441-1
定価6,930円(本体6,300円+税10%)
発売年月日:2022年03月09日
ページ数:400
判型:B4変型判・上製

解説:
圧倒的なビジュアルで探る比類なき中国史書。

ビジュアル表現の得意なイギリスの名門出版社であるDK社と、百科事典の分野では世界的権威である中国大百科全書出版社とが、
数年の歳月をかけた協業により、中国の壮大な歴史を、重要な出来事、政治勢力、権力者を通していきいきと描き出す。

5,000年前の神話上の君主から清朝の最後の皇帝溥儀まで、中国の歴史の比類なきビジュアル年代大図鑑。
先史時代と初期の人類に始まり、
中国最初の王朝の登場と初期の中国の戦乱がどのようにして皇帝主導の王朝を生み出したのか、
そして中国の長い帝国時代を、貴重な多数の美術品や工芸品を織り交ぜてビジュアルで解説する。

重要な歴史上の人物、文化的業績、哲学等を明らかにすることで、
秦の「初代皇帝」、唐・宋の黄金時代、そして最後の満州清朝の滅亡までの2,000年にわたる帝国中国の繁栄と衰退の過程を深堀りしている。

『ビジュアル大図鑑 中国の歴史』紹介動画

序説

中国は世界文明発祥の地の1つに数えらえれる。黄河のほとりに生まれたいくつかの集落が、やがて幾多の王国をつくり、王朝となって何世紀も人々を支配したが、前221年、秦王朝のもとに全土が統一された。長きにわたる帝政時代の始まりである。以後、強大な王朝が攻防を繰り返す歴史は、1912年に中華民国が成立するまで続くことになる。

 中国の有史時代は、甲骨文字がつくられた前2千年紀までさかのぼる。古代中国がやがて東アジアの一大強国として勃興する経緯は、前1000年頃に書かれた司馬遷の『史記』のような驚くべき深みを持つ作品に詳しく綴られており、これは、歴史を書き記すという豊かな伝統が中国に息づいていたからにほかならない。実際、これほど長く緻密な歴史叙述を誇れる国は類を見ない。また、これほど世界人口の多くに影響を及ぼした国も他にない。にもかかわらず、西洋の大多数の人にとって中国はいまだ謎に包まれたままである。理由の一端は、中国が何世紀もの間、他国と比べると自己充足的な時を過ごしていたことにもあるのかもしれない。鄭和が大航海を行った15世紀初頭のような拡張の時期もあったが、歴史の大半を通じて、中国の統治者たちは遠い異郷よりも近くの自領に関心を注いできた。

地理、文化、結束

 中国文化の継続性は驚異的というほかない。1千年紀の前半、西ローマ帝国と漢王朝は、いずれも“蛮族”の侵入と内憂に耐えきれず崩壊した。しかし、ローマ文化が歴史書のページに埋もれてしまったのに対し、中国文明はその後再興を果たし、唐王朝と宋王朝のもとで黄金時代を迎える。何世紀にもわたる中国史の恒久性にはさまざまな要因があり、その1つが、地理的に比較的孤立していたことである。東は海に隔てられ、西(のちにシルクロードが通る地域)を砂漠と山岳に守られたこの国にとって、脅威は常に北方からやって来た。その防御策として万里の長城が築かれたのだが、匈奴、女真、鮮卑、モンゴルなどの北方の平原にすむ遊牧民により、この防壁は何度となく突破された。
 時代を超えた一貫性と同じくらい重要なのが、この国の文化的連続性である。とりわけ、仁政(善政)、責任、人としての義務を説く儒教の伝統は、中国の最も特徴的な要素と言える。のちにエリート主義の象徴に堕してしまうとはいえ、儒教を重視する競争試験(科挙)で学識豊かな人材を官僚に登用する制度が、何世紀もの間、国家の運営にきわめて有効だったことは否定できない。また、儒教思想に関連して文化への関心が高まったことも奏功し、それが2500年以上前から続く文学、歴史、書画、陶芸などの伝統を育んだとも言える。
 こうした文化的業績よりも、ある意味はるかに驚異的なのが、王朝時代の中国で起きた技術革新である。英国の中国研究家で科学史家のジョゼフ・ニーダム(1900~95年)は、中国の発明を一覧表にまとめ、その一つ一つについて、西洋での“発見”にどれだけ先行していたかを記している。それによると、陶器と石弓は1300年、鋳鉄は1200年、家畜の引き具は800年、機械式時計は600年、それぞれ西洋に先んじていた。そのほか、火薬、方位磁石、活版印刷術は、いずれも、中国以外の世界で普及するよりもずっと前に中国に登場していた。
 こうした数々の偉業にもかかわらず、中国には低迷の時代もあった。外国の支配を受けたり、分裂にあえいだり、戦国の動乱に揺れたりした時期である。中国の最も注目すべき点は、低迷期から復活を遂げるたびに見せた復元力ではないだろうか。無秩序と混乱から何度も立ち直り、再び結束と繁栄に向かって歩みを進める、そのしたたかさである。

孫子

始皇帝の墓

人口10億を超える漢人の民族的ルーツは前3世紀に成立した王朝までさかのぼる。

仏教の興隆

黄金の宝物

磁器の芸術

最後の皇帝、溥儀

著者情報

DK社(でぃーけーしゃ)
イギリスの出版社。1974年にロンドンにて創業。世界最大の出版グループPenguin Random Houseの一員。子供から大人まで幅広い世代に向けた本を数多く出版しており、そのビジュアルの美しさと内容の面白さで高い評価を得ている。

著者情報

佐川英治(さがわえいじ)
東京大学大学院人文社会系研究科教授。
1967年岡山県生まれ。1989年岡山大学文学部卒業。2001年大阪市立大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。専門は古代中国史・東アジア史。

著者情報

岸本美緒(きしもとみお)
お茶の水女子大学名誉教授。公益財団法人東洋文庫研究員。
1952年東京都生まれ。1975年東京大学文学部卒業。1979年同大学大学院人文科学研究科(東洋史学専門課程)博士課程中退。その後、東京大学やお茶の水女子大学において、研究および教育に従事。専門は中国史(明清社会経済史)。

コンテンツ

[本書の構成]

はじめに 序説 歴代王朝

1 伝説から歴史へ (前2000年まで)

序説/土地と人/2つの大河/先史時代の中国/新石器時代の陶器/中国の英雄たち/禹と夏王朝

2 最初の王朝(前2070年頃~前221年)

序説/青銅の時代/古代の青銅器/殷(商)王朝/殷の都、殷墟/甲骨占い/周の勃興/西周/青銅器の銘文/五経/春秋時代/鉄の時代/儒教/諸子百家/道家の哲学/戦国時代/孫子

3 中国の統一と分裂(前221~後581年)

序説/秦王朝/始皇帝の墓/万里の長城/前漢王朝/軑侯夫人の墓/中国の黄道十二宮/吉兆をもたらす獣/古代の通貨/健康と医学/儒学による統治/シルクロード/司馬遷と歴史書/竹から紙へ/新王朝/呪術と信仰/道教の興隆/宮廷の宦官たち/三国時代/書道/精気が宿る彫刻/仏教の興隆/北の王朝/南への移動

4 隋と唐(581~960年)

序説/隋王朝/大運河/唐の興隆/唐の手鏡/長安の発展/則天武后(武則天)/仏教の広がり/唐の凋落/詩/唐の墓の像/来世のエンターテイナーたち/茶/五代十国時代

5 漢人の王朝と異民族の王朝(960~1368年)

序説/北宋/絹の生産/儒教に基づく官僚制度/蘇軾/宋学/遼と金/遼の死者の面/南宋/元王朝/聖なる彫刻/フビライ=ハン/中国の戦争/戦いの道具/マルコ=ポーロの旅/モンゴル王朝末期

6 安定と富(1368~1644年)

序説/明の興隆/第二の建国/明の工芸品/青花の器/明の首都/伝統的な中国庭園/探検航海/内向きになる明/四大名著/明代後期の中国/マテオ=リッチ/医学の進歩/黄金の宝物/満洲の清/明の滅亡

7 最後の王朝(1644~1912年)

序説/清の興隆/国姓爺の戦い/康熙帝/清の征服事業/雍正帝/清朝支配下の暮らし/乾隆帝/七宝の香炉/清代の傑作小説/経済の発展/磁器の芸術/京劇/マカートニー使節団/アヘン貿易/第一次アヘン戦争/絢爛豪華な儀式用の鎧/太平天国の乱/第二次アヘン戦争/条約体制/洋務運動/西太后(慈禧皇太后)/中国社会の女性たち/鳳凰の冠/地位の象徴/日清戦争/百日維新/義和団戦争/近代中国の建国/最後の皇帝、溥儀/中国と世界の歴史

歴代統治者名鑑

伝説上の帝王たち

夏/殷(商)/西周/東周/秦/前漢(西漢)/新/後漢(東漢)/三国時代/西晋/東晋/南北朝/隋/唐/五代十国/北宋/南宋/遼/西遼/西夏/金/元/明/清

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