ライフデザイン力_オンデマンド版
未来を切り開く力の育み方
池田弘/著
ISBN:978-4-487-81261-5
定価1,518円(本体1,380円+税10%)
発売年月日:2019年05月21日
ページ数:208
判型:四六
解説:
ベースとなる価値観や哲学=「志」を自らつくり上げながら、未来を設計・構想し実現していく力=「ライフデザイン力」をいかにして育むか。教育を軸とした幅広い事業を自ら展開し、挑戦し続けてきた著者が語りかけるように説く。
ベースとなる価値観や哲学=「志」を自らつくり上げながら、未来を設計・構想し実現していく力=「ライフデザイン力」をいかにして育むか。教育を軸とした幅広い事業を自ら展開し、挑戦し続けてきた著者が語りかけるように説く。
コンテンツ
第1章 なぜライフデザイン力が必要なのか
第2章 ライフデザイン力から組織デザイン力へ
第3章 二つのデザイン力の身につけ方
第4章 デザイン力の向上に必要なこと
第5章 いつなにをすればいいのか
第6章 家庭がやるべきこと
第7章 「実践行動学」に学ぶ
第8章 NSGグループの挑戦
【まえがき】
ライフデザイン力とは
「ライフデザイン力」とは、自分の未来を設計・構想し、実現していく力のことです。
これはいま世の中で求められている人材、あるいは大きな活躍が期待されている人が備えている力について考える中で私がつくり出した新しい概念です。
一般的に「ライフデザイン」と聞くと、何歳で結婚するとか、マイホームを購入するとか、老後はどうするといった生活設計や人生計画のようなものを思い浮かべる人が多いようです。本書のライフデザインは、それとは異なることをまず確認しておきます。
両者は自分の未来を設計・構想するという点は似ていますが、後者は、その際のベースとなる価値観や哲学までを自らつくり上げていくという点で、前者とは大きく異なります。そのため最初の取り組みからしてちがうし、その後のプロセスもまったくちがってくるのです。詳しくは後にあらためて述べることにします。
個人として人生を充実したものにするとき、すべては目標の設定から始まります。自分自身の人生や組織の将来について考え、あるべき姿を想像しながらこれから進んでいく上での目標をつくることができれば、しっかりとした足取りで進んでいくことができます。このときの目標はなんでもいいということはなく、その人の価値観や哲学に基づくものであれば、達成への意欲がより高まります。そういう目標をつくることができたら当然、達成することで得られるものもまたより大きくなります。
もちろん、明確な目標を設定することができたところで、実現しないことにはたいしたものは得られません。設定した目標が大きければ大きいほど、高ければ高いほど実現は難しくなるので、実現のためには学習を通じて必要な知識を新たに獲得したり、知恵を身につけて的確な戦略や戦術を練ることが求められます。達成が困難な目標の場合は、そうした努力を継続したり、壁にぶつかってもあきらめずに進む高いモチベーションなども必要になるでしょう。
目標に向かって突き進んでいる途中では、環境や条件の変化が起こることはよくあります。そういった場合は、当初の目標を一部変更したり、ときには全面的な変更を余儀なくされることになります。そのようなことを繰り返しながら一定の目標を達成することができたら、それで終わりかといえば、そうではありません。さらなる高みを目指したり、到達した状態を維持するために、一連のプロセスを繰り返しながら挑戦し続けていかなければならないのです。
以上のことを上手に行う力こそが「ライフデザイン力」です。いまあげた一連のプロセスの中のどこか一部を担うものではなく、すべての場面で求められる力なのです。とくに大きくて高い目標を設定し、それを実現していくためには、一連のことを高いレベルですべて行うことができる優れたライフデザイン力が求められます。
ライフデザイン力は、意識して努力しないとなかなか高めることができません。残念なことに従来の教育は、そのことにほとんど重きを置いてきませんでした。ライフデザイン力を獲得したり向上させていくには、自ら夢を抱いたり目標を立てて、その実現に向かって努力する経験を通じて、自力でなんとかするしかなかったのです。
日本からは、かつてのようなイノベーションを起こす力が失われつつあるといわれます。日本が再び活力ある国になるためには、教育が根本的に変わることが必要です。いまの教育にはなにが足りないのか、そしてどんな考え方が必要なのか。この本で私が提案している教育のあるべき姿は、日本にとって大切なことであると確信しています。
私は現在、新潟で教育関連事業や医療・福祉事業、スポーツ事業、事業創造などを展開するNSGグループの代表を務めています。NSGグループの起源は教育関連事業で、長く教育に携わってきましたが、その中で、意欲的な学習姿勢は、高い志を抱いたり、実現したいと心から強く願う夢を持つことで現れやすく、さらにそれがライフデザイン力の獲得や向上につながるということを学びました。
ライフデザイン力を獲得し、向上させていくことができれば、その人は必要なときに必要な知識を吸収したりスキルを獲得しながら、様々な分野で生涯活躍することができる充実した人生を送りやすくなります。NSGグループが教育関連事業で目指してきたのはまさしく従来型とは異なるそのような教育で、学生たちがライフデザイン力を獲得し、向上させていけるような教育を行うべくいまも挑戦し続けています。
本書で紹介するのは、そんなNSGグループが教育関連事業の中でこれまで培ってきた成果です。この挑戦は終わりのないもので、私たちはこれからも理想を追い続けていきます。しかし、教育機関としてこれから進むべき方向を再確認する意味も込めて、今回ここに私たちがこれまで積み上げてきたものを知識の形にまとめてみました。
本書に書かれていることは、自分自身の自己啓発に利用することができるし、家庭における我が子の教育のために利用することもできます。また、教育に携わっている人が知れば、大いに刺激を受けてNSGグループとは別の場所で新たな教育の形を生み出すことができるでしょう。
私は経営者と同時にお宮の宮司、すなわち神主でもあります。人々の幸福のために祈りを捧げるのが私の務めです。形はちがいますが、いまあげたことが実現し、この本を読んだ人たちが大きなご利益を得られるとしたら、それはそれで私にとってたいへん喜ばしいことです。
この本に刺激を受けられた方々やそのまわりの方々が、優れたライフデザイン力を身につけられ、私流の言葉でいうところの高い志を開かれる人がたくさん出てくることが私の願いです。そして、そのような方々が意欲的に学習を続け、個人として、あるいは組織を率いて、世界や地域で活躍しながら生涯充実した人生を送られることを心から願っています。
池田弘
第2章 ライフデザイン力から組織デザイン力へ
第3章 二つのデザイン力の身につけ方
第4章 デザイン力の向上に必要なこと
第5章 いつなにをすればいいのか
第6章 家庭がやるべきこと
第7章 「実践行動学」に学ぶ
第8章 NSGグループの挑戦
【まえがき】
ライフデザイン力とは
「ライフデザイン力」とは、自分の未来を設計・構想し、実現していく力のことです。
これはいま世の中で求められている人材、あるいは大きな活躍が期待されている人が備えている力について考える中で私がつくり出した新しい概念です。
一般的に「ライフデザイン」と聞くと、何歳で結婚するとか、マイホームを購入するとか、老後はどうするといった生活設計や人生計画のようなものを思い浮かべる人が多いようです。本書のライフデザインは、それとは異なることをまず確認しておきます。
両者は自分の未来を設計・構想するという点は似ていますが、後者は、その際のベースとなる価値観や哲学までを自らつくり上げていくという点で、前者とは大きく異なります。そのため最初の取り組みからしてちがうし、その後のプロセスもまったくちがってくるのです。詳しくは後にあらためて述べることにします。
個人として人生を充実したものにするとき、すべては目標の設定から始まります。自分自身の人生や組織の将来について考え、あるべき姿を想像しながらこれから進んでいく上での目標をつくることができれば、しっかりとした足取りで進んでいくことができます。このときの目標はなんでもいいということはなく、その人の価値観や哲学に基づくものであれば、達成への意欲がより高まります。そういう目標をつくることができたら当然、達成することで得られるものもまたより大きくなります。
もちろん、明確な目標を設定することができたところで、実現しないことにはたいしたものは得られません。設定した目標が大きければ大きいほど、高ければ高いほど実現は難しくなるので、実現のためには学習を通じて必要な知識を新たに獲得したり、知恵を身につけて的確な戦略や戦術を練ることが求められます。達成が困難な目標の場合は、そうした努力を継続したり、壁にぶつかってもあきらめずに進む高いモチベーションなども必要になるでしょう。
目標に向かって突き進んでいる途中では、環境や条件の変化が起こることはよくあります。そういった場合は、当初の目標を一部変更したり、ときには全面的な変更を余儀なくされることになります。そのようなことを繰り返しながら一定の目標を達成することができたら、それで終わりかといえば、そうではありません。さらなる高みを目指したり、到達した状態を維持するために、一連のプロセスを繰り返しながら挑戦し続けていかなければならないのです。
以上のことを上手に行う力こそが「ライフデザイン力」です。いまあげた一連のプロセスの中のどこか一部を担うものではなく、すべての場面で求められる力なのです。とくに大きくて高い目標を設定し、それを実現していくためには、一連のことを高いレベルですべて行うことができる優れたライフデザイン力が求められます。
ライフデザイン力は、意識して努力しないとなかなか高めることができません。残念なことに従来の教育は、そのことにほとんど重きを置いてきませんでした。ライフデザイン力を獲得したり向上させていくには、自ら夢を抱いたり目標を立てて、その実現に向かって努力する経験を通じて、自力でなんとかするしかなかったのです。
日本からは、かつてのようなイノベーションを起こす力が失われつつあるといわれます。日本が再び活力ある国になるためには、教育が根本的に変わることが必要です。いまの教育にはなにが足りないのか、そしてどんな考え方が必要なのか。この本で私が提案している教育のあるべき姿は、日本にとって大切なことであると確信しています。
私は現在、新潟で教育関連事業や医療・福祉事業、スポーツ事業、事業創造などを展開するNSGグループの代表を務めています。NSGグループの起源は教育関連事業で、長く教育に携わってきましたが、その中で、意欲的な学習姿勢は、高い志を抱いたり、実現したいと心から強く願う夢を持つことで現れやすく、さらにそれがライフデザイン力の獲得や向上につながるということを学びました。
ライフデザイン力を獲得し、向上させていくことができれば、その人は必要なときに必要な知識を吸収したりスキルを獲得しながら、様々な分野で生涯活躍することができる充実した人生を送りやすくなります。NSGグループが教育関連事業で目指してきたのはまさしく従来型とは異なるそのような教育で、学生たちがライフデザイン力を獲得し、向上させていけるような教育を行うべくいまも挑戦し続けています。
本書で紹介するのは、そんなNSGグループが教育関連事業の中でこれまで培ってきた成果です。この挑戦は終わりのないもので、私たちはこれからも理想を追い続けていきます。しかし、教育機関としてこれから進むべき方向を再確認する意味も込めて、今回ここに私たちがこれまで積み上げてきたものを知識の形にまとめてみました。
本書に書かれていることは、自分自身の自己啓発に利用することができるし、家庭における我が子の教育のために利用することもできます。また、教育に携わっている人が知れば、大いに刺激を受けてNSGグループとは別の場所で新たな教育の形を生み出すことができるでしょう。
私は経営者と同時にお宮の宮司、すなわち神主でもあります。人々の幸福のために祈りを捧げるのが私の務めです。形はちがいますが、いまあげたことが実現し、この本を読んだ人たちが大きなご利益を得られるとしたら、それはそれで私にとってたいへん喜ばしいことです。
この本に刺激を受けられた方々やそのまわりの方々が、優れたライフデザイン力を身につけられ、私流の言葉でいうところの高い志を開かれる人がたくさん出てくることが私の願いです。そして、そのような方々が意欲的に学習を続け、個人として、あるいは組織を率いて、世界や地域で活躍しながら生涯充実した人生を送られることを心から願っています。
池田弘