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発酵食品でつくるシンプル養生レシピ

江戸の料理本に学ぶ
発酵食品でつくるシンプル養生レシピ

車 浮代/著

ISBN:978-4-487-81622-4
定価1,760円(本体1,600円+税10%)
発売年月日:2022年07月30日
ページ数:112
判型:A5判

解説:
江戸の知恵満載! 身近な発酵食品を使った簡単レシピ集。
江戸料理と文化の研究家が、江戸時代の料理本や番付に掲載された、健康維持と養生につながる、身近な発酵食品の簡単レシピと歴史的背景、うんちくを紹介する。現代の食卓に並ぶレシピとしても十分通用し、元祖「映え」メニューや元祖デトックスの一皿も。ごはんにもお酒にも合いとにかく美味しいので、気楽につくれるレシピ集としても、江戸の食文化や雑学を楽しく学べる読み物としても楽しめる。

はじめに

 発酵とは、微生物の働きで食材を体に良いものに変化させることです。
 私たちは発酵食品を食べることで腸内環境を整え、免疫力を高め、健康な体をつくることができます。
 和食は発酵食品を抜きに語ることはできません。
 日本の発酵食品を見てみると、麹菌、乳酸菌、酵母、酢酸菌、納豆菌といった主な微生物でつくられた、みそ・しょうゆ・かつお節・酢・納豆・麹・甘酒・日本酒・漬物・焼酎・みりんなどは全て、江戸時代までに生産が開始されています。
 また、冷蔵庫のなかった江戸時代、この高温多湿な日本において、生ものを美味しく食べるということがいかに困難だったか。それを可能にしたのが、大根おろしや生姜、わさびなどの薬味と、酒、しょうゆ、みそ、酢といった発酵調味料です。これらには全て、悪い菌を殺す〝毒消し〟 の効果があったからです。
 さらに、生ものを生のまま保存する方法として、麹漬け、味噌漬け、酢漬け、醤油漬けなど、発酵調味料に食材を漬ける方法が取られてきました。
 近年、私たちは今までよりもさらに健康や、自分たちの体を守ることに関心を持つようになりました。
 江戸時代から続く発酵食品とうまく付き合えば、体はもっと整うことでしょう。またそれだけでなく、フードロスが激減することにもつながります。
 たとえば私は、魚を一匹買ってきて、その夜は刺身として、翌日はしょうゆベースのたれでヅケにしておいたものを、翌々日以降は昆布締めにしておいたものを、生で美味しくいただきます。
 その日に使いきれなかった野菜は「ぬか漬け」か「米のとぎ汁漬け」にして、フレッシュなまま保存し、最後まで美味しくいただきます。エコで、節約にもなります。
 この「美味しくいただく」というのが、サスティナブル(持続可能)な食生活につながる第一歩だと、私は考えます。
 本書は、江戸時代の料理本に紹介された、発酵食品を使ったレシピを選定して構成しました。江戸時代のレシピと聞くと、難しそうに感じるかもしれませんが、どれもとてもお手軽でシンプル。晩ごはんや酒の肴につくってみたくなるものばかりで、〝旬の食材をあまり手をかけずに美味しくいただけるレシピ〟が勢ぞろいです。
 体にも地球にも有益な、発酵食品でつくる養生レシピをぜひ、はじめてみてはいかがでしょう?

2022年7月吉日
                         車 浮代  

「味噌のレシピ」より

「醤油のレシピ」より

「鰹節のレシピ」より

「酢のレシピ」より

「その他の発酵食品のレシピ」より

著者情報

車 浮代(くるま うきよ)
時代小説家/江戸料理・文化研究所代表
大阪出身。企業内グラフィックデザイナーを経て、作家の柘いつか氏に師事。江戸時代の料理の研究、再現(1200種類以上)と、江戸文化に関する講演、 NHK『チコちゃんに叱られる!』『美の壺』『先人たちの底力。知恵泉』などの TV出演や、TBSラジオのレギュラーも。著書に『江戸っ子の食養生』(ワニ ブックスPLUS新書)、『免疫力を高める 最強の浅漬け』(藤田紘一郎氏と 共著/マキノ出版)、『1日1杯の味噌汁が体を守る(』日経プレミアシリーズ)、 『天涯の海 酢屋三代の物語』(潮出版社)、『蔦重の教え(』飛鳥新社/双 葉文庫)ほか多数。西武鉄道「52席の至福 江戸料理トレイン」料理監修も。 『和食Style.jp 』にて「豆腐百珍のすべて」連載中。
kurumaukiyo.com

コンテンツ

はじめに

みその養生レシピ
身近な発酵食品1 みそで整える
鮎田楽/里芋田楽/木の芽田楽/鴨の味噌漬/銀鱈の味噌漬/山芋の味噌漬/味噌漬とうふ/鰯焼味噌和え/人参の白和え/枝豆の味噌煮/茄子の鉄火味噌/茄子しぎ焼き/ ねぎ味噌/ふろふき大根/利休あへ大根/ぐつ煮とうふ/芝蘭豆腐/叩き豆腐/うづみ豆腐/牡丹鍋/かぴたん飯/深川飯(深川の漁師飯)/鯵の焦がし味噌汁/鰯つみれ汁/味噌にゅうめん/紫蘇味噌梅胡桃和え

しょうゆの養生レシピ
身近な発酵食品2 しょうゆで整える
刺身の黄金和え/雷豆腐/刺身の胡麻だれ漬け/炒とうふ/茗荷の辛み漬け/苗蝦菽乳/ 山芋の醤油漬け/酢烹/卵の黄金漬け/ねぎま鍋/煮卵/まぐろすき身煮/鰻鱺様/むきみ切り干し/真の八杯豆腐

かつお節の養生レシピ
身近な発酵食品3 かつお節で整える
にんにく梅干し漬け/梅が香/浦里/高津湯とうふ/縮緬とうふ/たまごふわふわ/山の芋ぐつぐつ煮/深川鍋 /鰹飯/桜飯/千疋飯/筍飯/山吹飯/こんにゃくみぞれ汁/茗荷と梅干しの吸い物

酢の養生レシピ
身近な発酵食品4 酢で整える
鰹のたたき/鯵の膾/いわしのごま漬け/いわしのぬた /穴子と茗荷の酢の物/わかめのぬた/赤貝とわけぎの酢和え/蓮根浅草海苔/筍浅草海苔/大根の青海苔和え/長葱のぬた/菊花蕪の甘酢漬け/叩きごぼう/りんごの胡麻山椒和え/駿河煮/酢蛸/阿蘭陀膾/蟹鍋煮

いろいろ発酵食品 養生レシピ
身近な発酵食品5 いろいろ発酵食品で整える
烏賊納豆/納豆汁/昆布酒/鮪納豆/烏賊の塩辛/芋酒/磯納豆/時短「塩麹」/煎酒/煎納豆/甘酒/磯菜卵/納豆餅/玉子酒/米のとぎ汁漬け

おわりに
参考文献
コラム

OH ~発酵、健康、食の魔法 ~/ 江戸時代の料理本/ミツカンミュージアム/江戸の食卓 豆知識/万能調味料「煎酒」