サスティナビリティ
東書文庫


東書文庫は、1936(昭和11)年、東京書籍の創立25周年を記念して開館した、日本で最初の教科書図書館です。中・近世の資料は、古くは鎌倉時代の古文書から江戸時代の藩校や寺子屋で使用された教科書などを所蔵し、明治時代以降は明治期の検定教科書、国定教科書、戦後の検定教科書など教育に関する資料を幅広く体系的にして所蔵しています。また、教科書や掛図に使用された原画や版木なども所蔵しており、資料総数は約16万点です。
2009(平成21)年には、明治初期から昭和20年度の文部省著作教科書までの76,420点が国の重要文化財の指定を受けました。教科書には、その時代の価値観や教育観が凝縮されています。まさに時代を映す鏡と言えます。所蔵資料は教科書編集のための直接資料として、また教育研究用の資料として一般の方々に公開し、広く利用されています。
また、アール・デコ様式を基調とした建物は、建造物としての価値も高く評価され、1999(平成11)年には東京都「北区指定有形文化財(建造物)」の指定を受けました。さらに2007(平成19)年には経済産業省による「近代化産業遺産」(製紙業の歩みを物語る近代化産業遺産群)の認定を受けました。
実際に図書館としての運営が本格化したのは1962(昭和37)年頃からになります。文庫内に展示室が開設され、実物の教科書の展示を通して日本の教育の変遷が理解できる施設となり、今日まで多くの見学者を迎えています。
近年では当館に対する需要は益々増え、閲覧・見学者は全国に及んでいます。またテレビ局、映画制作会社、新聞社、出版社などからの取材も多く、多様なメディアで紹介されています。