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いつか、あの博物館で。

いつか、あの博物館で。
アンドロイドと不気味の谷

朝比奈あすか/著

ISBN:978-4-487-81760-3
定価1,650円(本体1,500円+税10%)
発売年月日:2024年07月01日
ページ数:270
判型:四六判

解説:
ロボット博物館への校外学習で同じ行動班になった、安藤悠真、長谷川湊、清水陽菜、市川咲希の四人の中学一年生。その博物館には、「美しすぎる」アンドロイドの気象予報士が展示されていた。その日の体験をきっかけに、それぞれがロボットと人間の違いを考える。完璧な美しさや強さを持つロボット、やさしい言葉をかけてくれるロボット、いつまでも死なないロボット……。それでも、ロボットにはない自分だけの心を確かめ、他者と触れ合い、距離感に悩みつつも、気持ちがつながる瞬間を大事に、新しい自分を作っていく――。不思議な縁でつながった、性格や家庭環境の異なる男女四人。彼らの中学一年から三年までの三年間をそれぞれの視点から描いた、現代社会に生きるさまざまな子どもたちの姿を切り取る著者による、中学生たちの日常(いま)の群像劇。

登場人物紹介

安藤悠真(あんどうゆうま)
創作部に所属し、プラモデル作りが好き。物知りで博学、勉強もよくできる反面、ちょっとうっかりしたところがあり、思ったことをそのまま口に出してしまったり、場にそぐわない言動をしてしまったりすることも。たまに寝癖がついたままのことがあるような無頓着さがある。

清水陽菜(しみずひな)
バスケ部に所属し、活発で目立つグループの一員。その実、表裏のない性格で、思いやりがあって面倒見も良い。母の家事を手伝いつつ弟と妹の面倒も見ている。自分の状況や内面を他者に開示することにためらいがあり、自身の「感情」にも複雑な思いを抱く。

長谷川湊(はせがわみなと)
サッカー部の次期キャプテンと言われ、小学生の頃からスポーツ万能で近所でも有名。朗らかで屈託がなく、明るく素直な性格だが、あえて「愛され弟キャラ」を演じている面も。二つ年上の、友達も多く成績優秀な姉がいるが、姉は不登校の問題を抱えている様子。

市川咲希(いちかわさき)
おとなしく穏やかな性格。ひとりっ子でおばあちゃん子だった。引っ込み思案だったが、おばあちゃんに「おうたがじょうず」なことや、音楽のセンスを見出される。音楽部に所属し、楽器はフルート。球技は苦手だが、実はダンスや水泳などは得意。

中学1年生 冒頭

中学2年生 冒頭

中学3年生 冒頭

もくじ

著者情報

朝比奈あすか(アサヒナアスカ)
1976年東京都生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。2000年、ノンフィクション『光さす故郷へ』(マガジンハウス)を刊行。06年、群像新人文学賞受賞作を表題作とした『憂鬱なハスビーン』(講談社)で小説家としてデビュー。著書に『人間タワー』(文春文庫)、『自画像』『憧れの女の子』(双葉文庫)、『君たちは今が世界(すべて)』(角川文庫)、『翼の翼』(光文社)、『ななみの海』(双葉社)など多数。

コンテンツ

中学1年   アンドロイドと不気味の谷(安藤悠真・長谷川湊・市川咲希)
中学2年   ドッジボールと僕らの温度差(長谷川湊・市川咲希・清水陽菜)
中学3年   私たちが出会う新しい私たち(清水陽菜・安藤悠真・長谷川湊・清水陽菜)
エピローグ 市川咲希