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五木寛之セレクションⅤ【恋愛小説集】

五木寛之セレクションⅤ【恋愛小説集】

五木寛之/著

ISBN:978-4-487-81452-7
定価1,980円(本体1,800円+税10%)
発売年月日:2024年10月28日
ページ数:408
判型:四六

解説:
五木寛之の二大恋愛小説がここに甦る。

『燃える秋』
五木文学最高の恋愛小説と呼ばれる「燃える秋」。祇園祭の京都から灼熱のペルシャへ。男たちの愛のささやきに揺れるヒロイン亜希は、自らの生き方をもとめて灼熱のペルシャを彷徨う。市場の片隅で出会う老女と幼女が、亜希の人生を紡いでいく。ペルシャ絨毯が織り成す、愛の幻と旅立ちの物語。
映画化もされた空前の大ヒット作。映画音楽は、作詞:五木寛之、作曲:武満徹。本書では貴重な楽譜も掲載。

対談解説は、幻冬舎社長の見城徹。なぜ、見城徹なのか。幻冬舎の名付け親はたしかに五木寛之だが、それは理由ではない。いやむしろ、「燃える秋」の解説は見城徹以外には考えられなかった。なぜなら、見城徹こそが、角川書店時代に「野性時代」誌において「燃える秋」を生み出したからであった。
見城徹の熱狂と、五木寛之の優しさが出会うことによって「燃える秋」は誕生した。
そのいきさつは、是非、本書の対談解説で味わっていただきたい。

『冬のひまわり』
同時収録の「冬のひまわり」。これも五木文学における代表的な恋愛小説だ。夏の鈴鹿サーキット「8時間耐久レース」。レーサーたちは、ただひたすらにゴールを目指し続け、その先に海が見えることを知らない。観客席のスタンドの外れには、海が見える唯一の場所がある。ヒロイン麻子は、16歳の時にふとしたことで、この海の見える場所で青年と出会う。忘れられない初恋、胸の感触。以来、二人は何年も何年も、鈴鹿サーキットの度に、レーサーではなく、海を見に逢瀬を重ねていく。サーキットの轟音の中の静かな波の音。恋愛小説屈指の名場面であり、この場所には記念碑が立てられたという。
やがて20年の歳月をえて、麻子は決断を迫られる。
鈴鹿サーキットが織り成す、愛の幻と旅立ちの物語。
「冬のひまわり」という象徴的なタイトルは何を意味するのか。それは最後の1行を読むことではじめてわかる。
五木文学を代表する2編の恋愛小説を収録した『五木寛之セレクション第5巻 恋愛小説集』は、見城徹の対談解説とあいまって、なんとも贅沢な1冊となった。