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はじめてのジョリーフォニックス

はじめてのジョリーフォニックス
― ティーチャーズブック ―
付録絵本/CD2枚付き

ジョリーラーニング社/編著 山下桂世子/監訳

ISBN:978-4-487-81031-4
定価3,850円(本体3,500円+税10%)
発売年月日:2017年04月10日
ページ数:136頁
判型:A4

解説:
英語の基本となる全42音と綴りを、シンプルかつ効果的に指導するための、世界でいちばん使われている信頼度No.1のマニュアル。付録として、本書の活動に必要なすべての音声が収録されたCD2枚、「音の復習」をするためのフラッシュカード、「お話」「音の聞き取り」に使用する絵本が付いています。実際に学習者に指導するには、本書に準じた学習者用ワークブック『はじめてのジョリーフォニックス ― ステューデントブック ―』が必要です。

世界120か国以上で使われている信頼度No.1の英語の読み書き指導法! ジョリーラーニング社のホームページへはこの画面をクリック

ページサンプル

著者情報

山下桂世子(やました かよこ)
日本で数少ないジョリーラーニング社公認トレーナー。愛知県岡崎市出身。同市の小学校に教師として勤務し、特別支援学級も担当するが、夫の海外転勤にともない渡英。現地の小学校で働くかたわら、日本語教師として成人学級で日本語を指導し、ノッティンガム大学で特別支援教育を学び、修士号を取得する。また,現地校で使用されているジョリーフォニックスに興味を持ち、その指導法を学んだ。現在、ジョリーフォニックス、ジョリーグラマーの公式トレーナーとして、イギリスと日本を往復し、各所で指導者向けのトレーニングセミナーを開催するなど、積極的に活動している。

著者情報

ジョリーラーニング社(ジョリーラーニングシャ)
(Jolly Learning)
イギリス・エセックス州に本社を置く教材出版社。1987年設立。英語の読み書き指導の教材を中心に、年間200万部を超える教材を発行。主要教材であるジョリーフォニックスは世界100か国以上で使用されており、インドやナイジェリア、パキスタンなど、一部の国では政府の教育政策にも取り入れられている。指導者の育成にも力を入れており、世界各国に公式トレーナーを配置。英語の読み書き指導を世界的に大きく変え、新たな主流となるメソッドを作り上げた功績が高く評価されている。

コンテンツ

はじめに
用語集
コラム:ジョリーフォニックスが誕生するまで

〈解説編〉
1.ジョリーフォニックスとは何か
 英語の「音」
 英語の音と文字の関係
 「文字の名前」と「文字の音」
 フォニックスの役割
 ジョリーフォニックスの5つの基本技能
 基本技能1.文字の音を覚える
 基本技能2.文字の形を覚える
 基本技能3.ブレンディング
 基本技能4.セグメンティング
 基本技能5.ひっかけ単語
 5つの基本技能の習得のための系統立ったプログラム
 多感覚法を用いた教え方

2.指導の流れ
 指導の流れ
 用意するもの
 活動の概要
 1 音の復習(基本技能1)
 2 お話(基本技能1)
 3 アクション(基本技能1)
 4 文字指導(基本技能2)
 5 音の聞き取り(基本技能4)
 6 ブレンディング(基本技能3)
 7 ディクテーション(基本技能4)
 8 歌(基本技能1)
 step up 読み書きの練習
 step up ひっかけ単語

コラム:苦手をフォローすること

3.42音の学習が終わったら
 その先の指導に向けて
 同音異綴り
 弱音化,黙字
 短母音に関するルール
 文のディクテーション
 自力で英語を書く

コラム:よりよい指導に向けた教材群

〈指導編〉
指導編の使い方
第1グループ(Ss,Aa,Tt,Ii,Pp,Nn)
第2グループ(Cc Kk,Ee,Hh,Rr,Mm,Dd)
第3グループ(Gg,Oo,Uu,Ll,Ff,Bb)
第4グループ(ai,Jj,oa,ie,ee or)
第5グループ(Zz,Ww,ng,Vv,oo oo)
第6グループ(Yy,Xx,ch,sh,th th)
第7グループ(Qu qu,ou,oi,ue,er,ar)
step up(読み書きの練習,ひっかけ単語)

〈資料編〉
Jolly Songs 歌詞
単語集
フラッシュカード

〈付録〉
絵本
音声CD2枚

【特長】
●英語の読み書きのつまずきをなくす
英語を学ぶ子供たちが最初につまずきやすいのが読み書きです。そしてここでつまずくと,その先の英語学習が苦痛になってしまいます。ジョリーフォニックスでは英語学習の基礎となる読み書きを丁寧に指導することで,英語が得意な子供を育てます。

●単語学習の負担を減らす
ジョリーフォニックスで学ぶことで英語のつづりの規則性がわかるようになり,単語のつづりを暗記に頼る必要がなくなります。子供は単語の音を聞いてつづりを推測したり,つづりを見てそれを正しい発音で読んだりすることができるようになります。

●お話や絵本,歌,アクション(動作)を使って,飽きずに楽しみながら学べる
英語の読み書きの学習と言うと機械的な反復練習がイメージされますが,ジョリーフォニックスではお話や絵本,歌,アクションなどを使って楽しく学習を行います。また,これらの活動を通じてイギリスの文化について学ぶこともできます。

●英語を母語としない子供にも学びやすい
ジョリーフォニックスは英単語をあまり知らない子供でも無理なく学ぶことができます。そのため英語を母語としない子供たちにも適しており,世界100か国を超える国で指導されています。

●特別支援が必要な子供にもやさしいプログラム
ジョリーフォニックスでは,視覚,聴覚,身体感覚などをフル活用する「多感覚法」を取り入れています。学んだことが子供たちの記憶に残りやすくなるだけではなく,LDや発達障害を持つ子供たちにも効果的な手法です。

●教え方,学び方が極めてシンプルで,短時間の積み重ねでマスターできる
カリキュラムは系統的に組み立てられており,子供にとって学習の負担が少なく,指導者にとってもシンプルでわかりやすい構成です。1日15分のレッスンを繰り返し行うことで,早い段階から英語の読み書きができるようになります。


【まえがき】
『はじめてのジョリーフォニックス ティーチャーズブック』へようこそ。2020年度から,小学校の英語が教科になります。早い段階から英語を始めることで日本人の英語力の底上げが期待される一方で,児童間の学力格差が広がるのではないかとの不安の声も挙がっています。
英語は得意な子供と苦手な子供がはっきりと別れる教科です。特に英語の読み書きは早いうちからつまずいてしまう子供が多くいます。日本人の子供にとって英語のつづりを覚えるのは非常に難しいことなのです。そしてここでつまずいてしまうと,その後の英語の授業についていけず,英語が嫌いになってしまいます。英語が好きな子供に育てるには,最初の読み書きの指導でつまずかないように,この部分を丁寧に指導する必要があるのです。
では,なぜ日本人の子供にとって,英語のつづりを覚えるのは難しいのでしょうか。これには,日本語と英語の「音」の違いが関係しています。
日本語の「音」と英語の「音」はまるっきり違います。母音を例に出すと,英語には母音が約19種類ありますが,日本語には「あ」「い」「う」「え」「お」の5種類しかありません。日ごろ日本語の母音にしか接していない私たちは,英語の19種類の母音を聞き分けることができないため,英語の母音を無意識のうちに日本語の母音に当てはめて聞いてしまいます。例えば,野球の「バット(bat)」と乗り物の「バス(bus)」の「バ」の音は,英語ではまったく別の音ですが,日本人にはこの2つが同じ「バ」に聞こえてしまうのです。
しかし,それではなぜバットの「バ」は「ba」と書くのにバスの「バ」を「bu」と書くのかわかりません。英語のつづりの規則性が理解できず,結果としてつづりを丸暗記するしかなくなってしまうのです。そのため,暗記が得意な子供は英単語をどんどん覚えていくことができますが,そうでない子供は単語のつづりが覚えられず,その先へ進むことができなくなってしまいます。これが「英語嫌い」を作ってしまう原因の1つでもあります。また,つづりを覚えていない単語に出会ったときには,どうしても単語を自分の知っているローマ字で書こうとしてしまいます。
実際には,英語の「発音(音)」と「つづり(文字)」の間には「英語のアルファベットコード(English Alphabetic Code)」と呼ばれる規則があります。この規則を教えることで,単語のつづりを丸暗記に頼る必要がなくなり,英語の読み書きはずいぶんと楽に行えるようになります。「フォニックス」とは,この規則を教える指導法のことなのです。現在,英語圏での英語の読み書き指導の主流は「フォニックス」です。
そのなかでも,「ジョリーフォニックス」は,イギリスをはじめ世界各国の小学校でカリキュラムへの導入が急速に進んでいる21世紀の新しいフォニックスです。ジョリーフォニックスは日本人が読み書きでつまずく原因となる「英語の音」(音素)を丁寧に指導するところから始まり,徐々に「英語のアルファベットコード」を身につけるためのプログラムです。イギリスの学校の68%(2005年時調査)で使用され,高い学習効果が実証されており,その信頼性・有効性から,世界120か国以上で導入されています。

ジョリーフォニックスでは大きく以下の3つのことを学びます。
第1段階 基本の英語の音(音素)と文字の関係を学ぶ
英語には約42種類の音があると言われています。これらの音を1つずつしっかりと学び,それぞれの音がどのようなアルファベットで表されるのかを学習します。この段階では,1つの音に対して1通りの表し方(つづり方)を教えます。これがフォニックスの学習の土台となります。
第2段階①  1つの音に対して複数のつづりを学ぶ(「同音異綴り」を学ぶ)
英語の音とアルファベットは必ずしも1対1で対応しているわけではありません。それぞれの音に対して,第1段階で学んだものとは別の表し方(つづり方)を学習します。
第2段階② フォニックスのルールに沿っていない単語(「ひっかけ単語」)のつづりを学ぶ
フォニックスのルールを知っているとたくさんの単語が暗記に頼らずに読み書きできるようになりますが,なかには不規則なつづりの単語もあります。これらの単語を1つずつ教えていきます。

本書はジョリーフォニックスの第1段階を指導するためのレッスンマニュアルです。レッスンは自宅でも学校の授業でも行うことができます。