NHKスペシャル「人体Ⅲ 命とは何か」上巻

NHKスペシャル「人体Ⅲ 命とは何か」上巻

NHKスペシャル「人体」取材班/編

ISBN:978-4-487-81873-0
定価3,300円(本体3,000円+税10%)
発売年月日:2026年01月23日
ページ数:192
判型:B5変型

解説:
私たちはなぜ生きているのか、なぜ「老い」や「死」を抱えるのか?
壮大なテーマ「命」を考えるヒントは、細胞内の超・ミクロの世界にあった!

「あらゆる角度から「命」を考えていく際に、共通して必要な“土台”があるとすれば、それは「細胞」に対する理解だといえます。「えっ、何で? 細胞ってそんなに大事なの?」と思った人は、ぜひ本書を読んでください。」(「はじめに」より)

国民的お笑いタレントで博識のタモリさんと、ノーベル賞科学者山中伸弥さんのW司会で2017年にスタートしたNHKの大型シリーズ「人体」。2025年4月から6月にかけて放送された最終章「人体Ⅲ」のテーマは、ずばり「命」。本書は番組の興奮そのままに、最新科学が解き明かす「命のメカニズム」を、最新顕微鏡による驚きの実写や超高精細CGとともにわかりやすく紹介します。

はじめに

 NHK スペシャル「人体Ⅲ」は、タモリさんと山中伸弥さんの司会で2017年から始まったシリーズ「人体」の“最終章”として、2025年4月 から6月にかけて全4回の放送を終えました。番組の制作チームは、これまでシリーズにかかわってきた者の多くが再集結したうえに、頼もしい 新メンバーも加わって盤石の体制。また、支えてくださる研究者の輪は、回を重ねるごとに広がり、本当にたくさんの方々から多大なご協力をいただきました。おかげさまで番組は大好評となり、こうしてまた書籍化が実現したことは喜びに堪えません。この場を借りて、ご協力いただいたすべての皆さまへ深い感謝の意を表するとともに、前作、前々作を含め、制作に携わったスタッフたちを心からねぎらいたいと思います。

「人体Ⅲ」のテーマは、「命とは何か」―――あまりに壮大な問いだと感じられるかもしれません。それは、この問いがいくつもの意味を含んでいるからでしょう。答えるべきは「命の定義」なのか、それとも「命を動かすしくみ」なのか、あるいは「命が持つ意味」なのか? 人それぞれ、思いを巡らせる方向性が違うはずです。さらに、そもそも「命」という言葉が指すのは「人間の命」なのか、「生物全般」なのか、はたまた「私たち個人の命」なのか? それによっても答えは変わってきます。こうしたすべてを含むからこそ、「命とは何か」という問いは深遠であり、興味をそそられるのでしょう。今回のシリーズでは、ここに挙げたすべてに向き合いました。書籍のめざすところも同じです。

 あらゆる角度から「命」を考えていく際に、共通して必要な“土台”があるとすれば、それは「細胞」に対する理解だといえます。「えっ、何 で? 細胞ってそんなに大事なの?」と思った人は、ぜひ本書を読んでください。第1集『命の源 細胞内ワンダーランド』はまさにその土台となるものでした。生物学的な命の定義はいくつかありますが、最もシンプルには「命とは細胞でできたものである」となります。これは単に科学者が決めたことではなく、ごく一般的な感覚で「生物」と「無生物」を分けていっても、同じ結論に至ります。なぜ私たちは細胞を命とよび、細胞でないものを命とはよばないのでしょうか? もうひとつ、「生きている」と「死んでいる」の境目は何でしょう? 細胞は一つひとつが生きています。だから当然、死ぬことがあります。生と死、2つの状態はどう違っているのでしょうか? これらを理解していくカギは、まさにこれから語られる「細胞内ワンダーランド」に秘められているのです。

 すべての生命の最小単位、「細胞」を知り、命について考える土台をつくった第1集からスケールアップし、私たち「人間の命」について考えたのが第2集『細胞40兆 限りあるから命は輝く』です。その道筋で明らかにされるのは、「生あるものは老いる宿命にある」という常識が、実は正しくないという事実。そして、多細胞生物である人間が、老いと引き換えに得たものこそが、「人生の喜び」につながっていること。さらには、その喜びを生み出すために必要となる莫大なエネルギーを与えてくれる大切なパートナーが、私たちの細胞の中に棲んでいること。不思議なことに、細胞をさらに深く知ることで、「人間らしい生き方とは何か」にまで、ごく自然に思いを馳せられるようになるはずです。

「命とは」という問いは、壮大で深遠なものであると同時に、実は、最も身近なことでもあります。なぜならそれは、私たち自身のことであり、私たちの家族や友人、ペットのことにほかならないからです。いま、あなたの体に宿る命とは、どのようなものなのでしょうか? これから始まる知的探求の旅の果てに、もしかしたらあなたの人生観さえも、変わってしまうかもしれません。さあ、ご一緒に、出発しましょう!

NHK チーフ・プロデューサー 丸山優二

[上巻の収録内容]

【第1集】命の源 細胞内ワンダーランド

「細胞」の中の超・ミクロの世界。そこには「命のない物質たち」が動き回る驚異のワンダーランドが広がっていた。命の源とは何か。私たちの命を形づくる物質たちの正体に迫る。

【第2集】細胞40兆 限りあるから命は輝く

私たちの命の輝きを生み出す40兆もの細胞たち。人間がそれと引き換えに背負ったのは、「老い」「死」という宿命であった。限りある「命の輝き」の真実に迫る。

超高画質CGで細胞内世界を紹介する書籍限定特集ページ「華やかな細胞世界」を収録

著者情報

NHKスペシャル「人体」取材班(エヌエイチケースペシャルジンタイシュザイハン)