非認知能力の強化書_オンデマンド版

非認知能力の強化書_オンデマンド版

中山芳一/著

ISBN:978-4-487-81840-2
定価2,750円(本体2,500円+税10%)
発売年月日:2025年08月21日
ページ数:144
判型:四六判

解説:
全国各地で好評を博す、10代に向けた講演が、待望の書籍化!
”非認知能力”育成の第一人者が、中高生やZ世代に寄り添い、自ら能力を鍛えるための実践的な強化法を順序だてて解説。
これまでになかった若者を読者対象とした一冊が、学校現場からの熱い要望でついに実現しました。
夢に向かって未来を前向きに生きるためのヒントが満載です!

はじめに

「心を燃やせ」
みなさんは、このセリフをご存じですか?
あの名作『鬼滅の刃』(吾峠呼世晴(ごとうげこよはる)、集英社)に登場する煉獄杏寿郎(れんごくきょうじゅうろう)の超有名なセリフですよね。煉獄さんのこの言葉を受けて、主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)はバッチリ心を燃やして鬼たちと戦ったわけですが、みなさんだったら、「心を燃やせ」と言われて、炭治郎みたいに心を燃やせそうですか? そもそも、心を燃やすとはどんな状態なんでしょう? どうやって燃やしたらよいか、わからない人もきっといることでしょう。
 そういえば……

「気合いを入れろ!」

 僕が子どもの頃、大人から、こんなふうに言われたことがありました。「気合い」がどういうものかはなんとなくイメージできるのですが、「心を燃やせ」と同じで、明確に理解できていなかったように思います。そしていまの自分は気合いが入っているのかどうか……う~ん、難しいですね。
 僕は、いま「非認知能力」の大切さについて、子どもから大人まで、日本全国のたくさんの人たちに発信し続けています。この「非認知能力」については、第1章で説明をしていきますが、それが何かを一言で説明するならば、さっきの「心」や「気合い」なんです。僕が子どもの頃も、もっとその前からも、大切なものとしてふわっと語られてきた「何か」が、ここ最近では「非認知能力」と呼ばれて研究や実践がますます前に進み出しました。そして、もっと身近でわかりやすくなり、みなさんが日常的に伸ばしていけるようになり始めました。いまの時代に生まれ育ったみなさんがうらやましいです。
 本書は、「心」ともいえる「非認知能力」をみなさんがどうやって自分自身で鍛えて(伸ばして)いけばよいのかについて、中高生をはじめ10 代のみなさんに読んでいただけるように、とてもわかりやすく書いてみました! と、自分でハードルを上げてしまいましたけど、それぐらい気合い(?)を入れて執筆しましたので、ぜひ第1章から読み進めて心を伸ばしてくださいね。

中山芳一

著者情報

中山芳一(なかやまよしかず)
1976年岡山県生まれ。岡山大学教育推進機構准教授。
専門は教育方法学。All HEROs 合同会社代表。各世代の子どもたちのための非認知能力育成のために尽力している。さらに、全国各地の産学官民の諸機関と協働した教育プログラム開発にも多数関与。9年間没頭した学童保育現場での実践経験から、「実践ありきの研究」をモットーとしている。
著書に『新しい時代の学童保育実践』かもがわ出版(2017年)、『学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす』(2018年)、『家庭、学校、職場で生かせる ! 自分と相手の非認知能力を伸ばすコツ』(2020年)ともに東京書籍、『「やってはいけない」子育て 非認知能力を育む6歳からの接し方』日本能率協会マネジメントセンター(2023年)、『教師のための「非認知能力」の育て方』明治図書(2023年)など多数。