
上代文藝に於ける散文性の研究
中西 進/著
ISBN:978-4-487-81309-4
定価3,630円(本体3,300円+税10%)
発売年月日:2019年10月21日
ページ数:448
判型:A5判
解説:
現代を代表する国文学者にして「令和」の考案者とされる中西進の卆寿記念出版。
中西万葉学、中西文学論、中西日本人論のすべての原点といえる、東大卒業論文を、90歳の原点として、令和の今、出版して世に問う。
400字×674枚の圧巻の手書き原稿がここによみがえる。
日本古代において、韻文と散文は如何に成立してきたのか。
卒業論文ながら極めて高い学術性は、現代の国文学者、国文学の学生らにとっても非常に有益な着眼点や論点を提供する。
~~~~~~~
平安時代になると『源氏物語』にしろ『枕草子』にしろ堂々たる散文作品が登場するが、奈良時代には、なぜそれがないのか。もちろん「風土記」や「古事記」はあっても、それぞれ叙述目的は他にある。
その一方で長歌という、後には消えてしまう歌はいっぱいあって、やれ二人の男が一人の女に恋したとか、橋の上を渡っていく美女を見かけたから恋をしてみたいとか、すなおに散文で述べればいいのに、いかにも窮屈そうに長歌でしか歌わないのはなぜだ。
おかしい。もしかしたら古代日本人は「うた」以外には口が廻らなかったのか。
(「まえがき」より)
現代を代表する国文学者にして「令和」の考案者とされる中西進の卆寿記念出版。
中西万葉学、中西文学論、中西日本人論のすべての原点といえる、東大卒業論文を、90歳の原点として、令和の今、出版して世に問う。
400字×674枚の圧巻の手書き原稿がここによみがえる。
日本古代において、韻文と散文は如何に成立してきたのか。
卒業論文ながら極めて高い学術性は、現代の国文学者、国文学の学生らにとっても非常に有益な着眼点や論点を提供する。
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平安時代になると『源氏物語』にしろ『枕草子』にしろ堂々たる散文作品が登場するが、奈良時代には、なぜそれがないのか。もちろん「風土記」や「古事記」はあっても、それぞれ叙述目的は他にある。
その一方で長歌という、後には消えてしまう歌はいっぱいあって、やれ二人の男が一人の女に恋したとか、橋の上を渡っていく美女を見かけたから恋をしてみたいとか、すなおに散文で述べればいいのに、いかにも窮屈そうに長歌でしか歌わないのはなぜだ。
おかしい。もしかしたら古代日本人は「うた」以外には口が廻らなかったのか。
(「まえがき」より)
コンテンツ
第一章 散文文芸の韻文文芸
第一項 概説
第二項 散文文芸
第三項 韻文文芸
第二章 敍事の潮流
第一項 比喩敍法
第二項 物語歌謠
第三項 唱和詩体
第四項 歌物語形態
第五項 説話文芸
第三章 抒情詩の流動
第一項 純抒情の崩壊
第二項 万葉第三期
第三項 敍景歌
第四項 物語歌
第五項 観念歌
第六項 連作表現
第一項 概説
第二項 散文文芸
第三項 韻文文芸
第二章 敍事の潮流
第一項 比喩敍法
第二項 物語歌謠
第三項 唱和詩体
第四項 歌物語形態
第五項 説話文芸
第三章 抒情詩の流動
第一項 純抒情の崩壊
第二項 万葉第三期
第三項 敍景歌
第四項 物語歌
第五項 観念歌
第六項 連作表現