世界アート鑑賞図鑑 改訂版
ISBN:978-4-487-81606-4
定価5,390円(本体4,900円+税10%)
発売年月日:2023年02月20日
ページ数:576
判型:B5変型
【ポイント】
・作品の全体解説と細部を検証した部分図解説により、作品の詳細な理解ができる。
・各章の扉を見た瞬間、そのまま同時代の美術思潮が把握できる年表になっている。
・絵画のみならず、彫刻から写真、現代美術やパフォーマンスに至るすべてのアート・ジャンルを網羅。各ジャンルとも図版を多用し、学術的にも評価の高い詳細な解説を添える。
・1100点を超えるカラー資料を掲載。
・美術館での主要展示作品はもとより、新聞、テレビや、小説の表紙などでふと目にふれる世界的な芸術作品を年代順に紹介。鑑賞可能なアートのほとんどを掲載。
・1946年以降について、全体の20%にあたる116頁を割いて解説。
アフリカの芸術、東アジアの芸術、ラテンアメリカの芸術、インドの芸術などもとりあげ、ポップアート、コンセプチュアルアート、パフォーマンスアート、オップアート、ビデオアート、ランドアート、デジタルアートなどの最新概念も作品とともに紹介。バンクシーも登場している。
【比類のない作品範囲】
◇本書は、扱うジャンルが地域・ジャンルともに比類がないほど広範である。
<時代>四大文明、エーゲ文明、エジプト、ギリシャの古典期から中世、ルネサンス、近代から現代まで、最新作品は2006年のミックス・メディアに及ぶ。
<地域>四大文明、エジプト、アフリカ、地中海世界、ヨーロッパ、西アジア、インド、東南アジア、中国、朝鮮半島、日本、北米、中南米、オセアニアまで全土をカバー
<ジャンル>先史時代から古代世界の美術全般、ヨーロッパの美術(ルネサンス、マニエリスム、バロック、ロココ、新古典主義、ロマン主義、写実主義、印象派、後期印象派、象徴主義、アール・ヌーボー、分離派、フォーヴィスム、キュビスム、バウハウス、シュルレアリスム……)を中心とする世界の芸術、現代芸術全般(写真、オプアート、ポップアート、コンセプチュアルアート、インスタレーション、ミニマリズム、ハイパーリアリズム、ビデオアート、デジタルアート)まで。これらに日本・中国・アフリカ・メキシコなど各地域に根差した芸術を挿入して紹介。西アフリカの仮面、オセアニアの神像彫刻、北米先住民のトーテムポールなども漏れなく掲載している点も興味深い。
日本語版監修のことば
21世紀の今、アートの世界は花盛りといわれる。日本でも、あらゆる種類の美術作品の展覧会が催され、地方ごとの芸術祭が多くの観客を集めている。そのときに、英国では定評あるテームズ&ハドソン社から、大部ながら使いやすいガイドブックが刊行された。しかも、世界の各国語版も次々と翻訳されているという。
この日本語版は2015年の初版に対する改訂版である。現代の部分を中心にかなりの改訂が加わっている。ご覧になって、お分かりいただけるだろうが、本書の全体のうち、非ヨーロッパの美術世界と第2次世界大戦以降だけをあわせると、あらましの総計は50%にも及ぶ。これまで、「世界」の美術史のなかでは添え物とみなされがちであった分野に、穏当な暖かい光があたったというわけだ。
日本をふくむ非西欧世界の諸地域の間で、美術では提携と交流とか、差異と相同はどのようなかたちをとるのか。それはグローバル時代にあって、私たちには大きな関心事だろう。あるいは、古典から近代にいたる西欧の美術史は、そこではどんな位置を占めるのだろうかと、問題を考えることもできる。いやそればかりか、しばしば難解にすぎるといわれる現代アートだって、人間の技としてみれば、現代人としての共感を送ることもできる。
こうして本書はアート・ガイドブックとして便利なだけではなく、グローバル時代の快い刺激の発信源となったように思われる。ただしこの種の国際共同出版には、たしかに技術上の難関がともなう。評価や表記法にあっては、日本における常識的理解と齟齬をきたす心配もある。それらを克服するために、日本語版として必要最小限の修正を施していることを、お断りしておく。
いずれにせよこの日本語版が、美術の世界でグローバルな楽しみ方を開拓できるとすれば、関係者としてこれにまさる喜びはない。読者からの応答を待ちたい。
2022年4月
樺山紘一
読みやすい見開き構成
コンパクトな作品解説
多くの部分図で絵に隠されたモチーフを探る/年表でさくっとわかる作者の転換点
意外なエピソードをコラムで紹介
コンテンツ
序文
パート1 紀元前から15世紀
パート2 15世紀と16世紀
パート3 17世紀と18世紀
パート4 19世紀
パート5 1900年から1945年
パート6 1946年から現代
索引