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GIGAスクール構想 小学校低学年 1人1台端末を活用した 授業実践ガイド

GIGAスクール構想 小学校低学年 1人1台端末を活用した 授業実践ガイド

堀田博史/監修・編著 佐藤和紀・三井一希/編著

ISBN:978-4-487-81489-3
定価1,760円(本体1,600円+税10%)
発売年月日:2021年04月24日
ページ数:156
判型:A4判/並製

解説:
2021年4月から、すべての小学校でGIGAスクール構想によって整備された機器等が “導入”から“活用”のフェーズに入ります。教員は将来を生き抜く子供たちに必要な力を、学校や家庭でも身に付けることができるように、整備された環境をフル活用することが求められています。本書は、低学年でもできる情報端末活用を多くの学校で共有できるように企画しました。「低学年で情報端末を使用するのは早い?」ではなく、低学年ができる30の“活用”事例を紹介しております。また、巻末には児童が自己評価できる「情報活用能力チェックリスト」を添付しました。
取組み方が難しい小学校低学年での1人1台情報端末活用でお悩みの先生方、必見です。

はじめに

2019 年12 月クリスマス直前のある日,文部科学大臣から「子どもたち一人ひとりに個別最適化され,創造性を育む教育 ICT 環境の実現に向けて~令和時代のスタンダードとしての1 人1 台端末環境~」というGIGA スクール構想のメッセージが出されました。そして,2019 年度の補正予算案に,児童生徒向けの1 人1 台端末と,高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備するための経費が盛り込まれたのです。この時点では,3 ~ 4 年かけて段階的に整備が進むと多くの教員が考えており,準備段階の時間的余裕があると想定していました。しかし,年が明け2020 年初頭には新型コロナウイルス感染症が拡大し,休校を余儀なくされたことで,GIGA スクール構想の整備が前倒しとなりました。いま私たち教員は,将来を生き抜く子どもたちに必要な力を,学校や家庭でも身に付けることができるように,整備された環境をフル活用することが求められています。
皆さんの学校にはGIGA スクール構想で整備された機器等が“導入”されていることでしょう。2021 年4 月からは,すべての学校で“導入”から“活用”のフェーズに入ります。低・中・高学年に分かれて,教員みんなで活用を考え始めると,「まず高学年ではインターネットで調べ学習しよう」「4 年生でポスターづくりにチャレンジしたい!」などアイデアが溢れているようです。しかし,低学年の担任から,「こんな操作ができるのかな?」,「情報端末を使用するのは早いよね……」など,“活用”に慎重な意見が出てきていませんか。低学年の情報端末の活用に,教員自ら子どもの限界をつくってはいないでしょうか。
本書は,低学年でもできる情報端末活用を多くの学校で共有できるように企画しました。「低学年で情報端末を使用するのは早い?」ではなく,低学年ができる“活用”を集めてまとめております。さらに幼児期と低学年,低学年と中学年の接続を考え,それぞれの活用例も含めております。

巻頭の対談では情報教育の第一人者,東北大学大学院情報科学研究科・教授 堀田龍也先生と編著者の堀田博史が,GIGA スクールで整備された環境を低学年でどのように活用すべきかについて議論しております。そして,小学校1 ~2 年生の活用実践を中心に,中学年と幼児期の実践を含め,32 実践による活用事例を掲載しました。活用事例は,授業の流れだけではなく,情報活用能力育成のポイントなどを明記しております。巻末には,本書の実践内容を1 年生から3 年生に分けてまとめた,児童が自ら確認できる「情報活用チェックリスト」を掲載しております。

本書は,東京書籍の皆様にお世話になり出版することができました。ありがとうございました。また執筆にご賛同いただき,お忙しい時期に活用事例をまとめていただきました先生方,そして管理職の皆様には,改めまして御礼申し上げます。

GIGAスクール “活用” 元年 となる年度を迎えて
2021 年4 月吉日

編著者
堀田博史 佐藤和紀 三井一希

もくじ

巻頭対談

小学1年生・算数の実践例

小学1年生・生活の実践例

小学2年生・生活の実践例

著者情報

堀田 博史(ホッタ ヒロシ)
1962 年大阪府生まれ。関西大学大学院総合情報学研究科修士課程修了。現在,園田学園女子大学 人間教育学部教授。主たる研究領域として, 幼児教育・初等中等教育における情報化に伴う教育内容・教育方法の開発, e- ラーニング手法を用いた教員研修の開発に従事,GIGA スクール構想実現に向けて,多数の自治体でアドバイザーを務める。

著者情報

佐藤 和紀(サトウ カズノリ)
1980年長野県生まれ。東北大学大学院情報科学研究科修了,博士(情報科学)。東京都公立小学校主任教諭,常葉大学教育学部専任講師を経て現職。現在、信州大学学術研究院教育学系助教。主たる研究領域として,教育工学,情報教育・メディア教育,ICT活用授業:特に,情報化に伴う教育内容・教育方法の開発,学習支援システムや教材の開発,教員研修の開発など。

著者情報

三井 一希(ミツイカズキ)
1982年山梨県生まれ。熊本大学大学院教授システム学専攻博士前期課程修了。山梨県公立小学校教諭を経て,現在、常葉大学教育学部初等教育課程専任講師。主たる研究領域として,教育工学,教授システム学:特に,授業デザイン,ICT活用,インストラクショナルデザイン,学びのユニバーサルデザイン。小学校での現場経験をもとに,学校現場に根ざした実践的な研究活動,教育活動に取り組む。

コンテンツ

もくじ                                                 

はじめに 4 

対談 堀田龍也×堀田博史 5
情報端末が学校にやってきた! 授業前にしておくべきこと 10
情報端末が学校にやってきた! どうやって進めていけばいいの?       12

アイデアあふれる実践事例30 +先進的幼稚園の実践事例2
■ 1 年 国語 「どうぶつの 赤ちゃん」ちがいを比べて読もう 16
■ 1 年 国語 色分けワークシートで説明文の構造をつかむ!
      「うみのかくれんぼブック」で主体的・対話的に学ぶ 20
■ 1 年 国語 じぶんだけの「いきものずかん」をつくろう! 24
■ 1 年 算数 みのまわりから「かたち」をさがしてなかまわけしよう! 28
■ 1 年 生活 つくろう!あそぼう!〜みんなでたのしいおもちゃづくり〜 32
■ 1 年 生活 あきとあそぼう! 〜あきのおもちゃづくり〜 36
■ 1 年 生活 かくれているいきものをさがせ!!〜はじめてのクラウド活用〜 40
■ 1 年 音楽 たかさをかえてきょくをつくろう 44
■ 1 年 朝の学習の時間 Chromebook の操作を6 年生に教えてもらって身につけよう 48
■■1・2 年 生活 やさいをそだてよう 52
■■1・2 年 図画工作 ともだちといっしょにえをかこう 56
■ 2 年 国語・総合 「うごく絵本を作ろう」 60
■ 2 年 国語 たからものをしょうかいしよう 64
■ 2 年 算数 図形を使ってもようづくりをしよう 68
■ 2 年 算数 かけ算(2)九九となる問題をつくりX チャートで分類しよう 72
■ 2 年 算数 身の回りの三角形と四角形を探そう 76
■ 2 年 算数 しかくとさんかくをつかっていろいろな形をつくろう 80
■ 2 年 算数 フラッシュカードでめざせ九九はかせ! 84
■ 2 年 生活 みんなで同時に共同編集 町の様子を伝えよう 88
■ 2 年 生活 自分が作った「動くおもちゃ」を1 年生に分かりやすく説明しよう 92
■ 2 年 生活 自分の成長をプレゼンテーションしよう 96
■ 2 年 道徳 お互いの良さをクラスメイトと伝え合おう 100
■ 2 年 プログラミング 自分の作ったプログラムをタブレット上で見せ合おう 104
■ 3 年 国語 物語を読んで,おすすめポイントをしょうかいする文を作ろう 108
■ 3 年 社会 道具とくらしのうつりかわり 112
■ 3 年 社会 調べたことをグラフにしよう 116
■ 3 年 算数 身のまわりのものの重さをはかろう 120
■ 3 年 音楽 いろいろな金管楽器について知ろう 124
■ 3 年 総合 市の良さをPR するポスターを作ろう! 128
■■3・4 年 社会 映像からの気づきをスライドにまとめよう 132
■ 幼稚園 年長クラス 知育ロボットを使って遊ぼう 136
■ 幼稚園 年長クラス お絵かきアプリを使って「クイズ」を作成 140

低学年の情報活用能力の確認について 144
じょうほう かつよう チェック リスト 145
じょうほう かつよう かくにん カード 148

本書の事例で紹介したアプリ・ツール一覧 152
あとがき 154