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ICT サポート情報 授業編:認知能力を鍛えて多様な見方ができる力を育む~成田市立公津小学校
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授業編:認知能力を鍛えて多様な見方ができる力を育む~成田市立公津小学校

■成田市立公津小学校 授業レポート(2024年2月28日)

2024年2月28日に成田市立公津小学校を訪問し、伊藤優乃 先生が担当する1年1組で東京書籍株式会社の「コグトレオンライン」を活用した授業を参観させていただきました。伊藤先生が「今週のコグトレ、第24週目を開けてください」と言うと、子どもたちは自分のiPadでコグトレオンラインのページを開き、「今週のコグトレ」のボタンをタップします。

「今週のコグトレ」の画面には、伊藤先生が事前に設定しておいた課題「形さがし 8」だけが表示されていました。最初からたくさん問題を選べるようにするのではなく、最初にやるべきことが1つに決められていることで、子どもたちは取り組みやすいと思いました。
 また、伊藤先生は全員が解けるような難易度を選んで「今週のコグトレ」に入れているそうです。そうすることで、いきなり難しい問題にぶつかってモチベーションが下がってしまわないので、最初の問題から子どもたちが楽しく学びに入れると思います。

伊藤先生は、モニターを使って「形さがし 8」のやり方をみんなと確認します。この日の課題はみんなやり方がわかっていたので、子どもたちからは「やったー、好きなやつ!」という声があがっていました。

はじめて取り組む課題のときには、いきなりやってみると難しくてわからない子もいるので、「こうやって考えるんだよ」という道筋を丁寧に説明するそうです。そうすることで、子どもたちが「できそう!」と安心して取り組めるようになります。

この日の課題になっていた「形さがし 8」では、たくさんの点が並んでいるなかから、線で結ぶと正方形になる形を4つ探します。子どもたちは、自分のペースでどんどん問題を解いていきます。
 「これ、まぎらわしいのがあって難しくない?」とチャレンジすることを楽しんでいるような声もあがっていて、みんなで楽しそうにコグトレオンラインに取り組んでいました。

子どもたちが取り組んでいた「形さがし 8」では、全部で5問出題されます。全部の問題に解答すると、自動で採点されてまとめて結果が表示されます。子どもたちは、同じ問題にもう一度チャレンジすることもできます。

コグトレオンラインの課題には4段階のレベルがあります。フリートレーニングで「形さがし 8」よりも難しい課題にチャレンジしている子もいました。「今週のコグトレ」で出題された課題以外の問題も最後までクリアしたいと、どんどん難しい課題に取り組むのを楽しむ子もいるそうです。

一方で、いろいろな問題をやりたいという子もいるそうです。コグトレオンラインには、「見て覚える」「聞いて覚える」「数える」「見つける」「想像する」の5つの分野のトレーニング(取材日時点)が収録されているので、そのなかから別の課題に取り組んでいる子もいました。

伊藤先生は最初にみんなで取り組む「今週のコグトレ」が終わった後で、「次は◯◯をしてね」と指示を出すのではなく、何をしたいかを子どもたちに自分で決めてもらうようにしていました。
 この日の授業でも、「数える」のなかにある「さがし算」「見つける」のなかにある「形さがし」、「想像する」のなかにある「順位決定戦」「スタンプ」など、自分がやりたい課題を選んでどんどん取り組んでいました。

教室で子どもたちは一人ひとり自分のiPadでコグトレオンラインに取り組んでいますが、伊藤先生は教室をまわって、サポートが必要な子を助けています。
 どう考えたらいいのかわからなくて手が止まってしまっている子には、答えを教えるのではなく、最初のところを一緒に考えて、だんだん子どもたちが自分で考えを導き出せるようにすることが大切です。手が止まってしまっている子にどれくらい教えてあげたらいいかは、毎日子どもたちを見ている学校の先生だからこそわかることだと思います。

この日の授業中に「コグトレは勉強に似せた遊びだよ」「ゲームみたい」「楽しい」と言っている子どもたちがいました。
 コグトレオンラインで課題に取り組むときに、子どもたちは皆それぞれに自分なりの方法で課題に取り組んでいきます。特に苦手な課題に取り組むときには、「どうやって考えたらいいのか」というのを、自分で考えたり、クラスメイトと教え合ったり、先生にサポートしてもらったりしながら、だんだんできるようになっていきます。
 コグトレオンラインを遊びのように楽しむことで、認知の力を育むことができます。さらに、学校の授業では学ぶことのできなかったことがだんだんできるようになっていく経験ができるのは、学校でコグトレオンラインを活用する良さだと感じました。

【記事協力:フューチャーインスティテュート 為田裕行】
※執筆者の所属や役職は執筆時のものです

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