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ICT サポート情報 学習者用デジタル教科書で「群読」用台本づくり~個の学習が協働促す つくば市みどりの学園義務教育学校
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学習者用デジタル教科書で「群読」用台本づくり~個の学習が協働促す
つくば市みどりの学園義務教育学校
 つくば市立みどりの学園義務教育学校(毛利靖校長・茨城県)は施設一体型で小学校1年生から中学校3年生まで所属している。2020年度から1人1台の情報端末環境とし、文科省事業により2021年4月から英語の学習者用デジタル教科書+教材一体型(以下、学習者用デジタル教科書)の活用を開始。12月から国語の学習者用デジタル教科書も活用を始めた。国語の学習者用デジタル教科書を活用し始めて3回目という7年生の授業を取材した。授業者は路川伸子教諭。なお指導者用デジタル教科書は主要5教科で活用。また、つくば市では、東北大学大学院、東京書籍、Lentranceの協力の下、クラウド版デジタル教科書小学校国語、社会、保健、中学校英語、技術・家庭(技術分野)の学習履歴データ活用に向けた共同研究を10月からスタートしている。
「平曲」を全体で一度聞いてから各自の端末で「群読」の台本を考えた

「平曲」を全体で一度聞いてから各自の端末で「群読」の台本を考えた

‘協働’の深まりは個の学びから

各自でじっくり考えてから話し合うので意見交換も活発だ

各自でじっくり考えてから話し合うので意見交換も活発だ

この日の授業で取り上げた平家物語「那須与一」は、強風に揺れるはるか遠くの舟上の「扇を射よ」と源義経が那須与一に命じ、それを与一が「神頼み」しながらも見事に的中させるという内容だ。臨場感あふれるシーンで「群読」がよく行われている。この日、生徒は群読を行うための台本を考えた。

路川教諭は大型提示装置に、他校の生徒が「群読」している様子を提示し、「群読」は「一斉音読」とどこが異なるか、どんなところを大勢で読み、どんなところを1人で読んでいるのか、ゆっくり読むところや速く読んでいるところの理由等を皆で考えた。

その後、各自の学習者用デジタル教科書で「那須与一」の琵琶法師による平曲を聞き、「皆で読んだ方が良いと思う箇所は赤」「何らかの工夫をした方が良いと思う箇所は青」として、デジタル教科書上にラインを引いた。生徒は各自のペースで聴きなおしながら考えている。紙面を拡大して書き込んでいる生徒や、教科書の平曲を聞きながら訳文を見て考える生徒もいる。

次に各グループに分かれて、各自の考えを共有。「ここはいろいろな神様に心の中で願っているから1人で大きな声で読む」「戦いが始まったら迫力が出るように全員で読む」「平家と源氏を男女で分ける」等、真剣に話し合っている。なぜそう考えたのかを伝え合いながら、各グループならではの台本を決め、台本内容を学習者用デジタル教科書に書き込み、スクリーンショットして共有した。

振り返りの学習カードで生徒は「工夫したいと思った部分は同じでも工夫の方法に様々なアイデアがあった」「1人では気付かなかったアイデアを共有できた」等、話し合いの成果を綴った。

■音声教材や書き込み 各自のペースで活用

学習者用デジタル教科書を活用し始めて3回目という路川教諭は、「先行して活用している英語を参考に、音声教材の利用から始めた。国語ならではの活用として、本文に書き込み、共有して話し合う活動を取り入れた」と話す。利点として「古典を1人で読むことは難しいが、プロによる朗読により、イメージがわきやすい。また、言葉で説明しにくい古典の道具や情景等についてのわかりやすい映像が収録されている。考えながら書き込んだり消したりがすぐでき、個人で考えやすい」点を挙げた。

「生徒につけたい力を考えながら利用している。機能をすべて理解しているわけではなく、生徒に聞きながら活用し始めたところ」と語った。

■触れる機会が増えると児童のスキルが急激に向上

毛利靖校長

毛利靖校長

本校の教職員は約100人。ICT活用スキルは様々だが、活用状況や困ったこと、実践を写真付きでMicrosoftTeams上にアップして共用している。指導者用デジタル教科書には慣れており、学習者用デジタル教科書の活用も比較的スムーズに進んだ。4月当初から活用を始めた英語がとても良いこともあり、続いて国語でも活用を開始。音声教材の個別活用や書き込みを見せ合って話し合う協働的な活用が始まっている。

学年が上がるにつれ教科書の文字や図版が細かくなり、一斉提示では見えないこともある。学習者用デジタル教科書により各自の手元で確認しながら、動画や音声を確認したり書き込みながら考えることができる。

端末の持ち帰りは担任判断で実施。自宅でテスト前に音読練習をしたい等の目的がある場合にOKにしているようだ。

端末活用が進むにつれ、かつて5年生で取り組んでいたことが1年生でできるようになった。触れる機会があればスキルも急激に向上していくことを実感している。

【掲載 2022/03/07付 教育家庭新聞 教育マルチメディア号】
※執筆者の所属や役職は執筆時のものです

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