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ICT サポート情報 デジタル教科書で「考える」「話し合う」「深める」道徳へ
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 町田市立小山ヶ丘小学校(佐野友隆統括校長・東京都)は東京都教育委員会の「平成30・31年度東京都道徳推進モデル校」として,これからの道徳の授業のあり方を探っている。また,平成29年度から3年間,町田市の「ICTモデル校」として,先行してICT環境が整備されており,今年度から「小学校デジタル教科書 新しい道徳」(東京書籍)の活用を開始している。5年2組で行われた道徳の授業を取材した。授業者は滝町歩樹教諭。

“ふり返り”で深める

この日の授業の主題は「自分の欲求に流されない心」。自分の生活を見直し,節度ある生活をしようとする心情を育てることがねらいだ。

「今,自分が一番ほしいもの」は何か――ゲームやペット,スマホなど,様々なものが上がる。

どうしてそれをほしいと思ったのかについては「友達が持っているから」「小さい頃から欲しかったけれど買う機会がなかった」などの答えが返る。そこで滝町教諭は,「小学校デジタル教科書 新しい道徳」の中から,教材「流行おくれ」を,スライドショー機能で提示し,字幕を表示しながら読み上げた。

「流行おくれ」は小学生のまゆみが,周りの友達の流行りの洋服を見て,新しい洋服をほしがる話だ。母親からは「あなたは本当に洋服を大切にしているの」と言われてしまう。さらに,弟も買いたい本をがまんして友達から借りていると知って考え込んでしまうというストーリーだ。

デジタル教科書を提示して「今考えるポイント」を示す

デジタル教科書を提示して
「今考えるポイント」を示す

グループになり「自分の欲求に流されない心」について話し合う

グループになり「自分の欲求に流されない心」
について話し合う

児童は,デジタル教科書の「流行おくれ」のスライドを見ながら,滝町教諭の話に耳を傾けた。教材を読み終えると物語をふり返り,弟も買いたいものを我慢していると知った,まゆみの気持ちを質問すると「弟も我慢しているんだから自分も我慢しようと思った」などの答えが返ってきた。

そして物語の最後,「大量の服がちらかっている部屋に,まゆみが1人で残されている」スライドを提示。まゆみがどんなことを考えたか,近くの児童と話し合う。

「もし服を買ってもらったら,また大切にしないで,そこらへんに脱ぎ捨てていたんだろうな」,「流行に流されているだけで本当に自分がほしいものだったのか」など様々な意見が出た。

では,自分だったらどうしたのか。「流行おくれ」の問題を自分のこととして考え,デジタル教科書に付属しているワークシート「ほしかったものを買うのをがまんして良かったことはあったか」に書き込んでいく。

「小さい時にほしいおもちゃがあったけれど,すぐにほしいものが変わったからがまんして良かった」という意見に他の児童からは「そういったことはある」と同意の声があがる。

最後に滝町教諭がトロンボーンを持ちこみ,子供の頃の思い出を語った。

手入れをするワックスを安いものから,高いものにしようと思ったが,がまんして安い方を使い続けたエピソードを紹介。「みんなも色んな場面でほしいものが出てくると思うが,今日の話を思い出してほしい」と授業を締めくくった。

全学年の道徳でデジタル教科書を活用

佐野友隆 統括校長

佐野友隆 統括校長

同校では平成30・31年度の「東京都道徳教育モデル校」に選ばれたこともあり,その予算で「小学校デジタル教科書 新しい道徳」を購入した。

「デジタル教科書の良い点は,絵を鮮明に大きく映し出せるというところ。道徳では,考えること,話し合うこと,深めることが大切。今考えている場面を提示することで,児童は集中して考えやすくなる」と語る。

また,授業を進めていくうちに,前のページが気になった時は「この場面をもう一度見てみよう」と,ふり返りたい場面,再度確認したい場面を,すぐに出すこともできる。今では1年から6年まで,すべての道徳の授業でデジタル教科書を活用している。

教員の働き方改革が求められる中,子供と向き合う時間が増える点も重要なポイントだ。

これまでは教材準備のため,事前に教員が絵を書いたり,拡大コピーを用意していた。デジタル教科書ならばすぐに用意できるので時間短縮に大きくつながっている。

道徳の授業は,ふり返りの機会が少なく,1つひとつの授業が独立しがちになることが多いが,同校では研究校として,学期ごとのまとめを作る考えだ。道徳でふり返り授業を行うにあたって,デジタル教科書は大きな助けになると語った。

町田市のICT整備=町田市では2020年度までに大型提示装置とタブレットを全小・中学校に整備する計画で,現在,小山ヶ丘小学校・堺中学校をモデル校としている。また,ICT支援員の増加や教員対象のICT教育研修制度の充実も図っている。

【掲載 2018/11/05付 教育家庭新聞】
※執筆者の所属や役職は執筆時のものです

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