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2025.12.08
東京書籍の「douga pocket」は、2017年4月にサービスを開始して以来、多くの学習塾で利用されているデジタル教材です。理科と社会の動画に特化した収録動画の数はなんと約2,000本!生徒が自ら動画を視聴できるほか、学習塾で独自にカスタマイズできる仕様も備わっています。今回は制作者である松田研二さんに、その特徴や活用方法を紹介してもらいました。
・douga pocketの詳しい紹介はこちら
開発当時は「これから動画で学習する時代がくる!」という状況だったので、学習塾様向けに何かサービスをご提供できないか検討していました。幸い、弊社は理科の実験・観察動画や社会科の資料などの非常に良質な映像コンテンツを豊富に持っていましたが、一方で、先生の授業を手助けするための映像教材を提供するサービスが少ない状況がありました。そこで、動画を見るだけで終わるのではなく、動画を見る前にテキストや図版、インタラクティブコンテンツで内容を学習し、動画を見て理解を深め、その上で問題を解くことで学習内容を定着させるというプロセスを組み込んだ新しいカタチの教材を目指しました。それが「douga pocket」のはじまりです。サービス開始時は中学理科のみでしたが、現在は小学理科、小学社会、中学社会のコンテンツも提供しています。
4教科それぞれ約500本、計2,000本の動画を搭載しています。大きな特長としては教科書との準拠性があげられます。たとえば理科の教科書で使用されている器具とまったく同じものが映像で使われているんですよ。また、資料の版権処理が煩雑で映像化がむずかしい社会科で、これだけの量と質を兼ね備えたサービスはほとんどないと思います。また、既存のコンテンツだけではなく、学習塾様で制作したオリジナルの教材を配信できることも大きな特長ですね。
映像だけではなく、まとめ問題と確認問題を取り入れていることも大きなポイントです。これは「児童生徒の自学自習をサポートしたい」という学習塾様の要望を取り入れて開発したものです。基本的な使い方としては、スライド形式で①まとめ問題を解いたあと、②関連する動画を見て理解を深め、③改めて確認問題を解いて各単元の習熟度を試す、という流れになっています。
①まとめ問題のスライド。重要ポイントはマスクで、表示/非表示が選べます。
参考資料も組み込まれています。
③確認問題。動画を見たあと問題を解いて理解を深めます。
ひとつの例としては、白地図シリーズがあげられるかもしれません。「授業中にさまざまな情報を書き込んで使えるものが欲しい」という要望を取り入れたもので、世界各国、日本の各都道府県など256種類の白地図を標準で搭載しています。学習塾様の要望に応じて、オリジナル教材や機能を追加するなど、個別に対応するケースもありますよ。
学習塾様の声に応えて搭載した白地図シリーズ
オリジナルで制作されているサービスやテキスト教材などと組み合わせることで、生徒の学習の理解が深まるというお声はよくお聞きします。そのような使い方も効果的かもしれません。もともとはアプリ版のみでの提供でしたが、かなり早い段階でウェブブラウザで操作できるよう改修しました。スマホを使って家でもどこでも利用できるようになっている点も好評ですね。
実際に直接操作することで、シミュレーションや360°回転させて見られるインタラクティブコンテンツでしょうか。通常の動画だけではわからないところまで確認できるので、生徒の学習を手助けできることが大きなメリットです。たとえば、凸レンズによる像のでき方の学習には、物体の上下左右が逆になってスクリーンに映ることを利用して作成した、だまし絵を用いた3Dシミュレーションがあります。このような生徒にも面白いと思ってもらえるコンテンツを今でも増やし続けているんです。
だまし絵と凸レンズによる像のでき方を組み合わせ、生徒の興味・関心を引き出します。
世界遺産シリーズのように現地に行かないと撮影できないものなどは、現地の観光課の方にも協力いただきながら、3ヶ月に分けて、年間10日ほど撮影に行っています。最近では、地形などを多角的に見ることができるドローン撮影にも取り組んでいます。実は私、この「douga pocket」のためにドローンの免許を取ったんです。実技試験に向けて家の中で特訓して妻に怒られたことも今となってはいい思い出ですね。週末に外で訓練するなど、結構体力が必要なので、免許を取るなら若いうちがいいですよ(笑)。
松田さんが実際にドローンを使って撮影しているようす。
撮影した動画は、中学理科1年地学分野の「大地の変動/身近な大地の歴史」の中の「山陰海岸ジオパーク」というクリップに使われています。
2024年度から登場した「ディッピー」のことですね。「douga pocket」の「d」と「p」でディッピー。精霊です。生徒に学習に取り組んでもらえるよう、親しみやすいキャラクターにしました。ディッピーはわからないことに答えてくれたり、生徒のモチベーションをあげるような会話をしてくれます。実は以前から、生徒の学習の継続性に対する課題の声を耳にしていました。このディッピーがその解決の一助になればと思っています。これからも時代にあわせた機能を追加して、ユーザーの声をカタチにしていきたいですね。
2024年度からAIチャットボットを搭載。パートナーとして学習に寄り添ってくれます。
※こちらのイラストは一部に生成AIを使用しています。
動画にかける熱い思いをたくさん語っていただきました。
「douga pocket」では、1ヶ月無料体験を実施中です。
教育DX時代の学習体験を、ぜひ一度お試しください。
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※「douga pocket」は学習塾向けサービスです。学校ではご利用いただけません。