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2025.04.28
東京書籍が発行している小中学生のための読み物機関誌『青いスピン』には、物語からノンフィクション、イラストエッセーまで、さまざまな小説・物語が掲載されています。2025年4月には第6号を発行し、全国の小中学校にお送りしました。編集を担当している中島治さん(道徳編集部)に、誕生した経緯や目的、編集者としての思いなどについてききました。
小学校高学年から中学生を対象にした読み物を集めた無料の機関誌です。2022年9月の創刊以降、年に2回(4月・9月)の発行を続けています。作家の先生方の書き下ろし作品のほか、公募で選ばれた一般の方の作品もあわせて掲載。読者対象となる児童・生徒に、学校の図書館などで読んでもらったり、授業で使ってもらったりすることを想定しています。紙の冊子のほか、WEBページ(https://bluespin.tokyo-shoseki.co.jp/)でもご覧いただけます。
「授業で使えるようなちょうどいい長さの読み物教材がほしい」という現場の声を受けたことがきっかけです。また社内でも「教科書に掲載できるような、斬新で新しい作品をゼロから発掘したい」という編集部の強い思いもありました。そのような経緯で始まり、最初は道徳編集部と国語編集部が中心となっていましたが、現在ではさまざまな部署のメンバーが加わり、比較的大きなプロジェクトとなっています。
最大の特徴は、読みやすさと手軽さです。創作作品は6〜8ページ、エッセーは2~3ページと短めの文章がほとんどで、創作作品は毎号2~3作品を掲載しています。小学5年生以上の配当漢字には読み仮名もつけていて、読書が苦手な子どもにも配慮しています。『青いスピン』を通してさまざまな作品に触れていく中で、自分が経験していない世界や考え方に気づくきっかけを得られたらいいですよね。一人一台の学習者用端末を活用して、ウェブ版を朝読書に使ってもらえたらいいなあとも思っています。
募集期間は毎年4月~8月ごろで、応募資格の制限はありません。これまで10歳から90歳以上まで、さまざまな年齢のかたがたから応募があり、作品のレベルはとても高いです。昨年の募集では、最終審査に14歳の中学生の作品が残りました。この『青いスピン』への応募をきっかけに作家デビューを果たしたり、さらには教科書に載るような作家が誕生したりすれば、本当にうれしいですよね。最終的には、この機関誌を読者との「相互交流の場」とすることが目標です。
第6号では、安田夏菜先生の書き下ろし作品「わたしの大切な場所」を掲載しています。ウクライナから日本への転校生を主人公にした内容で、主人公の家族と戦争のこと、日本に来てからの気持ちの移り変わりがリアルに描かれています。また、第3回の公募入選作品・オガワメイさんの「がんばれ、兄ちゃん」は、兄が出場する夏の高校野球地区予選の試合観戦を通して、弟の微妙な感情の変化がていねいに描かれています。ぜひ多くの方に読んでいただけたらと思います。
WEB『青いスピン』:https://bluespin.tokyo-shoseki.co.jp/
お問い合わせ先:spin@tokyo-shoseki.co.jp
※お問い合わせの際には、お名前、ご所属(学校名等)、ご連絡先を明記してください。