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書籍編集の現場から

iPS細胞かるた
『iPS細胞かるた』
京都大学iPS細胞研究所/編
価格2,000円(税別)
iPS細胞の研究室
『iPS細胞の研究室』
京都大学iPS細胞研究所 国際広報室/編
本体価格1,300円(税別)
iPS細胞の歩みと挑戦
『iPS細胞の歩みと挑戦』
京都大学iPS細胞研究所 国際広報室/編
本体価格2,000円(税別)

『iPS細胞かるた』『iPS細胞の研究室』 『iPS細胞の歩みと挑戦』

 2012年10月,山中伸弥教授のノーベル生理学・医学賞受賞で,「iPS細胞」は一躍注目されるようになった。正式名称は人工多能性幹細胞(Induced Pluripotent Stem Cell)という。ノーベル財団の発表によると,受賞理由は「動物の分化した細胞が,多能性幹細胞へと初期化できることを発見した」ことだ。
 山中教授がiPS細胞樹立の論文発表をしたのが2006年であり,そこからわずか6年という異例の短期間での受賞となった。それほどiPS細胞の発見は画期的なことであり,世界の医学界が待ち望んでいたことであった。
 事実,iPS細胞研究は,そこから飛躍的に進む。まさに日進月歩のスピードで,今日では「再生医療用 iPS 細胞ストック」の提供や,パーキンソン病,血液疾患,心臓疾患,ALSなどの難病克服に向けての新たな治療法の臨床研究や治験が開始されるまでに至っている。
 山中教授の研究の起点となっている機関が,京都大学iPS細胞研究所(CiRA)だ。世界で初めてiPS 細胞研究に特化した研究所として,2010年4月に設立された(所長・山中伸弥)。今年,2020年4月には設立10周年を迎え,京都大学総合博物館では「iPS細胞,軌跡と未来-こだわりの研究所を大解剖-」展が開催される。
 会期は2020年5月13日(水)〜7月19日(日)予定。(新型コロナウイルスの状況により変更の可能性あり)

 山中教授と書籍編集部(当時)との出会いは,2017年7月,NHKのスタジオ収録にさかのぼる。当時NHKでは「NHKスペシャル人体~神秘の巨大ネットワーク~」という驚愕のシリーズ番組を制作中であり,その司会をタモリさんと山中伸弥教授が務められていた。この番組は東京書籍での書籍化が決まっており,書籍編集チームも,番組収録に立ち会わせていただいた。それが山中教授との最初の出会いであった。
 それから2年後の7月。京都大学iPS細胞研究所の国際広報室からお電話があった。研究所の設立10周年に向けて,研究所が開発した「幹細胞かるた」を市販化したいことや,iPS細胞のわかりやすい解説本を発行したいことなどを話された。編集部ではさっそく会議の議題にかけ,『iPS細胞かるた』『iPS細胞の研究室』『iPS細胞の歩みと挑戦』の3つの企画を同時に進めることとなった。
 『iPS細胞かるた』はiPS細胞をかるたで楽しく学ぶものであり,日曜日の人気クイズ番組の問題としても紹介された。内輪の話で恐縮だがこの場を借りて,装幀をしていただいたデザイン部に感謝したい。
 『iPS細胞の研究室』は中学生からわかるように,基礎知識はもちろん,研究者の素顔なども紹介している。『iPS細胞の歩みと挑戦』はiPS細胞の誕生から再生医療,創薬の開発など10年の研究の進化と未来について展望していく。
 5月からの「iPS細胞,軌跡と未来」展では,これらの3点も会場で読者との出会いを待っていることであろう。

東京書籍 編集制作部
2020年4月
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