監修者から

2013年3月29日 記者会見から ICTが学校文化になる

お茶の水女子大学 大学院 教授
坂元章

お茶の水女子大学の 坂元 章と申します。このスクールパレットの監修者を担当させていただいている者でございます。ここで私がこのシステムのポイントとして思っていることについて若干お話しさせていただきます。

今回のシステムは,その機能について3つCがあるというお話がありましたが,私は,これとは別の観点として,このシステムの持っている3つの特徴に注目しております。

第1の特徴は,常駐性です。このシステムは,先生方が毎日コンピュータの画面に立ち上げていただき,常時ご覧になり,お使いいただけることを想定しているものでございます。ずっと立ち上がっているということから,常駐性という言葉を使っております。このシステムでは,毎朝また日中にも新しい情報があり,また,さまざまな事務や教務のツールが集められております。また,クイズなど遊びや癒しの要素もあり,息を抜くこともできます。これらから,このシステムは,先生方の常時使用に耐えるものではないかと思われております。これは,先生方のICTに対する熟達度や親和性を高めて,授業場面におけるICT活用も促すものになると考えられます。

第2の特徴は,共有性です。先生方と子どもがシステムの知識を共有することです。このシステムは,先生方用と子ども用のものが同時に企画され,同型のシステムとして開発されています。これはまず業務の効率化をもたらします。例えば,先生方と子どものシステムが別々なとき,同じデータをそれぞれで入力しなければならない場合がありますが,今回のシステムでは,そうした心配はあまりありません。業務の効率化はもちろん重要ではありますが,こうした同型のシステムは,もう一つ重要なこととして,ここで申し上げたい共有性をもたらします。すなわち,同型のシステムであることによって,先生方と子どもが互いにそのシステムに関する知識を共有できます。これは,先生方と子どもの間でシステムに関わる意思疎通を容易にし,ICT活用の有効性を高めるものと言えます。端的な例を挙げれば,先生方が子どもに対して,「こういう操作をして,こういう作業をして下さい」と指示するときに,自分自身もふだん使っているものですので,簡単に自信を持って指示ができることになります。今回のシステムは,先生方同士ばかりでなく,先生方と子どもの間に知識の共有をもたらすところにも特徴があると考えています。

第3の特徴は,悉皆性です。一部ではなくすべての先生方がICTを活用されたとき,ICT活用の有効性は大いに高まり,活用されるようにもなります。例えば,学校の中に活用されていない先生方がおられたとき,電子メールや掲示板を使った一斉の連絡など多くのことができなくなります。今回のシステムは無料提供されており,予算が足りないために一部の先生方にしか使えないというような問題は発生しないものとなっています。全員が使えるという意味で,今回のシステムは悉皆性を持つものと表現しております。