平家物語大事典
ISBN:978-4-487-79983-1
定価20,900円(本体19,000円+税10%)
発売年月日:2010年11月17日
ページ数:936頁
判型:B5
誕生から平成の現代まで、平家のすべてがここに集大成
『平家物語』は、その誕生から現在に至るまで、人々に広く深く愛され続けた物語として、『源氏物語』とならび、不動の地位を保っている。本書は、『平家物語』本編の事典としてだけでなく、現代にいたるまでに、この物語がいかに日本の文化、生活に深く根付くようになったのか、また、どのような影響をあたえているのか、その全容もとらえらるように構成した、収録項目数約1500、執筆者約130にのぼる、今までにない画期的な文学事典である。
【本書の特色】
(1)様々な研究領域を総合した、いままでにない画期的な文学事典
『平家物語』は、文学研究のみならず、近年、歴史学、民俗学、社会学、演劇学、美術史、宗教学などのアプローチも加わって、立体的に研究がなされています。本書は学際的な、領域を超えた執筆陣により『平家物語』の最新情報を提示する、従来の文学事典にはない画期的な企画です。
例えば「首」「獄門」「遊女」「もののけ」「夢」など、民俗学・日本史学・社会学などの成果を入れた、興味深い項目も取り上げ、解説をほどこしています。また「因果応報思想」「王土王民思想」など、仏教思想や当時の社会思想などについても数多くの項目を設けて解説しています。
(2)目で見る平家
口絵は、本事典のために撮り下ろした鎧兜の装着方法などを順を追って示した装着写真や、大鎧の作成過程写真、当時の馬の種類、また平家琵琶に関する図像資料、そして平家を題材にした近代にいたる美術作品を掲載し、目で見る『平家物語』としました。
(3)充実した巻末資料
たとえば『平家物語』の舞台となった時代の平安京の詳細な地図や、平家一門がいかに天皇家や貴族と親族関係を結んだかが一目でわかる婚姻系図など、編集委員自身による細部にまで校訂をほどこしたアイディアあふれる利用価値の高い、充実した資料となっています。全国にちらばる諸々の伝説をまとめた地図と解説も魅力的な資料です。
(4)様々なジャンルの項目を検索しやすい、総索引
立項項目ばかりでなく、人名の異名など、本事典に載っている様々な領域におよぶ名称を網羅した、総索引が付いています。
第Ⅰ部・物語編 【50音順構成】は、『平家物語』本文に登場する人名、地名、事項を最新の学説を随所に反映させて詳細に解説する。必要な項目には、地図、図版などを入れる。
第Ⅱ部・周縁編 【50音順構成】は、『平家物語』の典拠や関連する文学作品、歴史記録などを解説するとともに、『平家物語』から発生した能、狂言、幸若舞曲、浄瑠璃、歌舞伎、お伽草子、俳諧、そして近代の映画、ドラマ、マンガ、CD、翻訳書にいたるまで網羅し、その受容のすべてをとらえる。
第Ⅲ部・研究編 【テーマ別構成】では、本文の成立や、錯綜する様々な諸本に関してわかりやすく論及。平家琵琶・平曲に関して体系的に整理する。他に物語に関わる、思想・宗教にまで考究する。