東京書籍

教科書・図書教材 よくある質問Q&A

書写

小学校「新編 新しい書写」

  • Q1 「十」「千」の終画は止めるのでしょうか。払うのでしょうか。
  •  結論から申しますと,文字としては,止めても払っても間違いではありません。ただし,弊社発行の小学校用書写教科書「新しい書写」では,毛筆・硬筆ともに,止めているものを教材として示しています。(正確には,軽く止めています。)
     芸術書道では,最終画の「縦画」の終筆は,払うのが一般的です。また,書道の古典においても,払っているものが多く見られます。この筆使いを「懸針」といいます。いっぽうの,しっかり止める「縦画」の終筆の筆使いを「鉄柱」といいます。芸術書道では,同じ「縦画」でも,終筆を,「鉄柱」と「懸針」,そしてその中間の,軽く止める「垂露」とで書き分けています。
     では,なぜ弊社発行の小学校用書写教科書で,「止め」としているのかをご説明いたします。
     小学校の国語科で指導する漢字の字体は,学習指導要領に掲載されている「学年別漢字配当表」の字体にならっています。それは,学習指導要領に,「漢字の指導においては,学年別漢字配当表に示す漢字の字体を標準とすること。」と記されているからです。この学習指導要領に示されている「十」「千」などの字体は,終筆を止めています。これにならって,「新しい書写」でも「止め」の形を示してます。
     また,そもそも小学生,特に低学年の児童にとって,「縦画」の終筆を払うという筆使いは難しく,さらに,止めるか払うかの区別も難しいため,「新しい書写」編集委員会では,小学校の書写学習の段階では,「縦画」の終筆はすべて止めることで指導するほうがよいと考えています。
     こうした理由から,「新しい書写」では,「十」「千」などの最終画の「縦画」の終筆を,「止め」で統一して示していますが,特に三年以上の毛筆では,前述のような書道の背景もふまえて,軽く止める(「垂露」のような)形で示しています。ただし,しっかり止めるのか軽く止めるのかを書き分けることは,主たる目標ではないため,あくまでも「止める」ことで指導してかまわないと考えています。もちろん,これらの終筆を「払う」と指導しても,間違いではないことは前述のとおりです。
     こうした事情をご理解いただき,学校においては柔軟にご指導いただきますよう,お願い申し上げます。

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  • Q2 封筒の裏面に差し出し人の名前を書く際,封筒の中央に書くべきなのでしょうか。それとも左側に寄せて書くべきなのでしょうか。
  •  東京書籍の教科書に掲載している封筒の書き方は,文化庁が出している『「ことば」シリーズ9 言葉に関する問答集4』に示されている「手紙の書き方」に拠っています。抜粋すると次のとおりです。

     縦封筒の場合には,所番地を中央の継ぎ目の右側にやや下げて書き,左側にそれより下げて氏名を書くことが多かった。その際には,所番地を小さめの字で書き,氏名は大きめの字で字間をあけて書く。ところが,市販の縦封筒に郵便番号記入用のわくが印刷されるようになってからは,裏側の方が継ぎ目の左側の下又は上に印刷してあるため,これに合わせ,差出人の所番地・氏名の両方を継ぎ目より左に書くことも行われている。

     東京書籍の教科書では,もともとの形式に従って,継ぎ目をはさんだ中央に書いたものを掲載しています。ただし,実際の指導におかれましては,中央あるいは左側のどちらでご指導されても間違いではございませんので,先生のご判断で適切なご指導をしていただければ幸甚です。

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  • Q3 「な」の結びは横長に書くのでしょうか,それとも三角形に書くのでしょうか。
  •  平成23年度発行小学校「新しい書写」から,「な」の結びの形を三角結びから横長結びに改めました。これは,平仮名を初めて学習する小学校1年生の発達段階を考えたためです。文字によって結びが三角結びと横長結びという二種類の形を示すことで,児童が不必要に混乱し,学習の負担が大きくならないよう配慮しています。
     字源から考えると,「な」は漢字の「奈」から派生したので,三角結びが適していると考えられます。同様に,「ほ・ま・ね」についても,三角結びで示すことになります。しかし,「ほ・ま・ね」は既に横長結びで示していて,「な」だけが三角結びとして残っていました。「新しい書写」編集委員会では,平仮名に限らず,漢字・片仮名においても,文字として間違いや矛盾をおこさない限りにおいては,似ている部分は同じ形で示し,児童が文字を類型的に整理して捉えられることを重視しています。つまり,字源から三角結びが妥当と思われる「ほ」などの平仮名でも,「は」など形の似ている文字がある場合は,同じ形で学習させることをより重視し,結果として,「ほ」は「は」と同じ横長の結びで示しているのです。
     また,中学校「新しい書写」では行書を学習するため,小学校よりいっそう漢字の字源と関連付けて平仮名を扱うほうが分かりやすいという考え方から,「な」のほかに「ほ・ま・ね」につきましても三角結びで示しています。
     なお,ご承知のことと存じますが,漢字については,小学校で学習する際の標準となる字体が,学習指導要領に示されています(学年別漢字配当表)。しかし,平仮名・片仮名については,標準とするべき字体が示されていません。各教科書会社が,字源や慣習に加え,書きやすさや学びやすさといった教育的配慮から,小学生の学習にふさわしい字形を考え,示しているという実情があります。教科書会社によって「結び」の形などに違いがあるのは,このためです。

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