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小学校 理科

理科の見方・考え方は、具体的にどのように示されていますか?
 各場面で主に働かせる「理科の見方・考え方」の具体例を「なんだパンダ先生」のセリフとして青枠で提示しています。令和2年度用教科書では、同様のコーナーに「理科のミカタ」という名称を冠していましたが、全国の先生方から、「『見方』 のみを明示しているように見える」、「『見方』という言葉を児童に伝える必然性がない」といったご意見があり、令和6年度用教科書では、名称を廃止しました。
令和2年度用教科書の「詳しい対話例」や「学びをつなごう」は、なくなってしまったのですか?
 令和6年度用教科書では、どちらもQRコンテンツに移行しました(「詳しい対話例」は「話し合いの例」及び「デジ活」に、「学びをつなごう」は「つなげる学び」に移行)。QRコンテンツへの移行によって、ご指導や学級・児童の実態等に応じて活用できるようになりました。また、家庭学習も含めて、児童が見たいと思ったときに、個別に参照できます。
令和2年度用教科書の「レベルアップ 理科の力」は、なくなってしまったのですか?
 令和2年度用教科書で、資質・能力の重点的な育成場面だった「レベルアップ 理科の力」は、「のばそう! 理科の力」に変わりました。「『レベルアップ』という言葉の意図が分かりづらい」というご指摘をいただいたためです。「のばそう! 理科の力」では、児童に伝わりやすくなるよう、対話の具体例を精選しました。QRコンテンツ「デジ活」を付して、『個別最適な学び』『協働的な学び』に対応できるよう工夫しています。
「デジ活」とは何ですか。
 「デジ活」は、資質・能力の重点的な育成場面である「のばそう! 理科の力」において、自分の考えをまとめたり、子どもどうしで話し合ったりするときに役立つコンテンツで、「デジタル活動」を意味します。各学年で重点的に育成する問題解決の力に対応しており、主に、3年では「問題をつかもう」、4年では「予想しよう」、5年では「計画しよう」、6年では「考察しよう」に設定しています。
QRコンテンツは、必ず使用しなければならないのですか?
 学習指導要領で示されている内容は、紙の教科書のみで完全にカバーできています。そのため、QRコンテンツを使用しなくても、学習内容にもれが生じることはありませんので、ご安心ください。QRコンテンツは、学習効果をより高めるためにご用意しましたので、ご指導のスタイルや学級・児童の実態、学校のICT環境等に適したものを、適宜選択してご活用いただけますと幸いです。
QRコードでどんなコンテンツが見られるか、よく分かりません。何か確認する方法はありますか?
 各学年最終ページの「デジタルコンテンツで学びを広げよう」で、QRコンテンツの種類を紹介しています。そのページにあるQRコード「ホームへ」を読み込むと、QRコンテンツサイトのホーム画面に移行することができ、各コンテンツの内容をご確認いただけます。ホーム画面からは、すべてのQRコンテンツにアクセスできますので、そのURLをブックマークしていただければ、各コンテンツへのアクセスが簡単になります。
 また、教師用指導書指導編(朱書)では、各単元冒頭に全コンテンツの説明とサムネールを掲載しておりますので、全体を概観する際にご活用いただければと思います。
「理科ノート」と「デジタルワークシート」では、何が違うのでしょうか?
 「理科ノート」はPDF形式で、端末にダウンロードしてロイロノート等の授業支援ツールに取り込んでの活用や、プリントアウトして配布する形での活用を想定しています。「デジタルワークシート」は、「理科ノート」の観察・実験部分を抽出したものです。ただし、データ形式に違いがあります。Web上で直接かき込んだり、入力したりできる形式で、端末に取り込む必要がありません。
令和6年度用教科書から、全学年でプログラミングを扱っているのはなぜですか?
 巻末特集「理科とプログラミング」を新たに設定しました。『プログラミング教育』や『STEAM教育』に対する社会的な関心やニーズは、年々高まっています。全学年の巻末で、学んだこととプログラミングのつながりを示すことで、プログラミングへの興味・関心を呼び起こすとともに、プログラミング的思考を育む契機にしていただきたいと考えました。
CBTへの対応は図られていますか?
 各単元末に、動画を見て問題に答えるQRコンテンツ「デジ問」を用意しています。3年10箇所13問、4年11箇所15問、5年9箇所11問、6年9箇所14問、計39箇所53問。今後のCBTでは、動画で提示される情報をもとに考える問題が主流になることが予想されるため、「デジ問」がその対応に役立ちます。なお問題ごとに、正誤を自動で判定できます。
観察・実験のQRコンテンツ「やり方」の動画では、観察・実験の結果まで示されていますか?
 観察・実験の「やり方」の動画でお示ししているのは手順のみで、結果までは含めておりません。この理由は、児童が実際に観察・実験を行って確かめてほしいと考えているためです。なお、紙の教科書でも、観察・実験の手順と結果は同じ見開きにならないように構成しています。観察・実験の結果の動画につきましては、指導者用デジタル教科書(教材)(教師用指導書と同時購入可能)に搭載する予定です。
令和6年度用教科書から、全学年でSDGsを扱っているのはなぜですか?
 巻末に、各学年の理科で学んだこと(3〜5年)および中学校の理科で学ぶこと(6年)と『SDGs』をつなげるページを設けています。学習内容とSDGsの各目標のつながりを知ることが、児童が現代的な諸課題に対して問題意識をもつ契機となり、その意識を常にもち続けてもらえるよう構成・工夫しました。
教科書の場合、人間や動物の場合と同様に、植物に関しても「成長」を用いますが、なぜ「生長」ではないのでしょうか。
 教科書の理科用語表記は、以下の点を拠り所としています。

(1) 教科書の表記については、検定基準で「学習指導要領」「学術用語集」などによることと示されています。
(2) 小学校学習指導要領解説 理科編での表記は、植物について「成長」となっています。
(3) 『学術用語集 植物学編』での表記は、「成長」となっています。

 また、小学校の段階で「生長」と「成長」を混在させると子どもが混乱するおそれがあるとの判断もあり、「成長」で統一しています。
3年の「成虫」や5年の「電磁石」など、当該学年より上位学年の配当漢字が使われている場合がありますが、これはなぜですか?
 令和6年度版「新しい理科」では、太字で示した科学用語について、以下のような表記上のルールを採用しております。
・本書で学習した科学用語は、子どもたちが今後中学校・高等学校へと成長しても使っていくことが想定されるので、長期的な視点での用語の定着を鑑み、できるだけ混ぜ書き(平仮名と漢字が混ざった表記)をしない。
・3年の「せい虫」や5年の「電じしゃく」など、当該学年で習っていない漢字が含まれる用語については、当該学年よりも一つ上の学年の配当漢字までであれば、漢字を用いることとする(3年「せい虫」は、「成」が4年の漢字なので、「成虫」とする など)。ただし6年の場合は、常用漢字まで用いてよいこととする(「運搬」「堆積」「水溶液」など)。
 ご指導の際に、これらの科学用語で漢字と平仮名のどちらを用いるかにつきましては、学級や子どもの実態に応じてご判断いただければと存じます。
4年「水のすがたと温度」で水を沸騰させる際、教科書どおりに実験を行っても水の温度が97℃ぐらいまでしか上がらない(100℃まで上がらない)のですが、なぜですか?
 棒温度計は、ガラス内の赤い液体の熱膨張を利用した温度測定器具ですが、4年p.161の実験1の方法では、棒温度計の先端部(液だめ部分)しかあたためられないため、棒温度計の表示を100℃まで至らせるのは難しいと考えられます。水の沸騰時に温度計がほぼ100℃を示すようにするには、p.161の「または」に取り上げられている丸底フラスコを用いて棒温度計全体があたためられるようにする方法が考えられます。しかしながら、ガラス器具を初めて扱う4年の子どもにとって、スタンドを用いて丸底フラスコを適切な高さ・角度に固定する操作は難しく、丸底フラスコを割ったりスタンドを倒したりするおそれがあることから、教科書では別法としての提示にとどめています。
 また、温度計に関して、学校の実験室にデジタル温度計が常備されている場合には、棒温度計ではなくデジタル温度計を用いることで、より100℃に近い温度を得ることができると考えられます。
 教科書では、子どもの発達段階や器具の準備のしやすさなどを考慮し、p.161の方法を採用しています。学級や子どもの実態に応じて、実験器具を選択していただければと存じます。
5年「物のとけ方」で、食塩以外の溶かす物として、ミョウバンを扱っているのは、なぜですか?
 ミョウバンの利点としては、以下の①~③が挙げられます。

①漬物などの食品に利用されており、子どもにとって安全に扱いやすい。
②一定量の水に対する溶解量が、常温では食塩の3分の1程度であるのに対し、60℃では食塩をはるかに上回るなど、水温による溶解量の変化が大きく、子どもの学習意欲を喚起しやすい。また、p.105の実験3で水の温度を上げて食塩やミョウバンを溶けるだけ溶かした後に、食塩の水溶液とミョウバンの水溶液を冷ましてそれぞれの様子を比べると、食塩の水溶液は食塩がほとんど析出しないのに対し、ミョウバンの水溶液はミョウバンの析出が顕著に見られることから、物の違いによる溶け方の違いを強く実感することができ、子どもの学習意欲を喚起しやすい。
③大きな結晶を作りやすく、子どもの興味・関心を高めやすい。

これらの利点から、食塩以外の溶かす物として、ミョウバンを扱っています。