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ジャムの本

ジャムの本

田中博子/著

ISBN:978-4-487-80919-6
定価1,870円(本体1,700円+税10%)
発売年月日:2016年03月12日
ページ数:128頁
判型:B5変形

解説:
うちのジャムがおいしくなった!
そう思えるような、おいしいジャム作りのお手伝いを。
材料・道具・瓶詰め・スパイスやリキュール・ジャム作りQAなどの基本から、四季折々のフルーツで作るジャムとそのバリエーション、ジャムを楽しむお菓子まで、写真とともに丁寧に解説し、網羅。ジャム作りの教科書。永久保存版。

「はじめに」より

 「ジャムを作る」ことは、日常の中で気軽に楽しめて、そして豊かな時間をもつことだと思います。フルーツを手にすると旬を感じられ、ジャムを煮るときにはフルーツの芳醇な香りが部屋中に漂い、リラックスした気持ちになれます。フルーツは砂糖を加えて煮上げることで艶やかなジャムに変身し、瓶の中に入ったジャムを眺めるとうれしくなります。

ジャムは保存の知恵のひとつであり、自然の恵みを大切に味わう方法です。

 単純作業のようですが、フルーツを見たときから、口にしたときから、どのような味にしたいか想像がふくらみます。「フルーツに寄り添って、味を引き出す」その考え方を、フランスでの修業中は感じる間もなく、ただただシェフの指示についていくことでいっぱいの毎日でした。日本に戻って、自分自身でジャム作りに取り組むようになってから、やっといろいろなことの意味がわかりはじめました。
 フルーツは自然の恵みですから、同じりんごでも果汁が多いときもあれば少ないときもあり、柑橘は皮がやわらかいものもかたいものもあり、煮てみるとジュースのようになってしまう場合もあったり。自分の思った通りのジャムになかなかなりません。だから、煮ている途中に、今日はどんな味にしたらよいだろうとフルーツに合わせていく形で、加える副材料を考えていくんです。もちろん、フルーツとレモンと砂糖だけで、何もいらないと思うほどよい状態にできるときもありますが、味見をしてみて、味がぼやけているように感じれば、仕上げにスパイスやドライフルーツを加えて味を引き締めたりもします。

わたしは、一年を通してジャムを作っていますが、
            毎回、新しいフルーツを扱う気持ちで作ります。

 まずは、難しく考える必要はありません。本書では、今までのわたしの経験と、生徒さんからよく聞こえてくる質問も取り上げながら、家庭でおいしくできるジャム作りの方法をお伝えしています。
 昨年のジャムより今年のジャムのほうがおいしくできた! と思えるような、ジャム作りのお手伝いができれば幸いです。
 そして、魅力的で奥深いジャムの世界へ私を導いてくださった師匠クリスティーヌ・フェルベール氏へ大きな感謝を込めて。

                       田中博子

著者情報

田中博子(タナカ ヒロコ)
長崎県出身。福岡市の中村調理製菓専門学校を卒業後、洋菓子店勤務、食育研究家の藤野真紀子氏のアシスタントを6年間務めたのち、2006年に渡仏。アルザス地方の「メゾン・フェルベール」で伝統菓子やジャム作りを中心に学ぶ。帰国後は福岡と東京を拠点にお菓子教室や料理イベントを行うほかも雑誌などでも活躍中。クリスティーヌ・フェルベール氏の作り方を守りながら、日本のフルーツのよさを生かしたジャムが人気を呼んでいる。著書に『家庭で作れる アルザスの素朴なお菓子』(河出書房新社)がある。