東京書籍

 

お風呂と脳のいい話
茂木健一郎・山崎まゆみ/著
  • ISBN:978-4-487-80829-8
  • 本体価格1,400円
  • 発売年月:2014-06-04
  • 体裁:  244頁
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脳科学者と温泉エッセイストの、あまりに異色な、あまりに刺激的な、対談エッセイ集。露天風呂の高揚感、入浴時の脳の活性化機能、脳のメンテナンス機能、人が「裸」になることの意味、混浴と春画の共通点、欧米にはない温泉の冥利、男女の距離感、温泉と雑談力……などなど、お風呂と温泉の知られざる魅力を、脳科学という視点から明らかにします。
たとえば、お湯について著者の茂木さんは次のように語ります。
……「よくみんなは温泉の成分や効能がどうのこうのと言うんだけどね、脳に対する作用を考えるときに、そもそも大前提として、お湯って贅沢だったっていうことが大きいと思います。今の我々は蛇口をひねったらお湯が出るような生活しているけどさ。
 戦後すぐの日本の山の様子を見ると、鎌倉近郊の山は全部禿山だった。要するに、薪をみんな採っていたわけだよね。お湯ってものすごく贅沢だったわけ。そんなことは我々現代人は忘れちゃっているけど。」……
と、お湯の贅沢さを脳が感じているかどうか、という鋭い指摘をされます。
 
そして、お風呂がもたらす脳の活性化機能については、次のように語ります。
……「お風呂に入ったりして、基本的に何かいわゆる感覚遮断の状態にするっていうのがとっても良いことなんです。感覚遮断、要するにあまり外からの刺激に注意を向けなくてもいい状態になると脳のディフォルト・モード・ネットワークというのが活動し始めてメンテナンス作業を始めるんです。ずっと気になっていたこととか、ちょっと整理出来てなかったことが浮かび上がってきたりして、整理できたりするんです。
 そう考えるとお風呂は単に温まってきれいになるという機能で捉えるだけじゃなくて、脳のデフォルト・モード・ネットワークをいかに活性化するかという場なわけです。そこでいろいろな発想をしたり、整理したりする。発想ー整理ー記憶の呼び戻しをひとつのセッションとして考えると、すごく何か工夫のしがいがあるんですよね」……
 このように、お風呂と温泉と脳をめぐって興味津々の話が続いていきます。
 その他、人が「裸」になることの意味、混浴と春画の共通点、欧米にはない温泉の冥利、夏目漱石と温泉の関係、温泉と雑談力、大学と温泉の価値が逆転する時など、それぞれのテーマに沿って興味津々の面白い話が続いていきます。
日本人に生まれてよかった!温泉万歳!明日からお風呂が楽しい!
どうぞお楽しみに。

著者情報

茂木健一郎(モギケンイチロウ)
脳科学者。1962年東京生まれ。
東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修
了、理学博士。理化学研究所、ケンブリッジ大学を経て、現在、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャーなどをつとめる。
2005年『脳と仮想』(新潮社)で第4回小林秀雄賞、2009年『今、ここからすべての場所へ』(筑摩書房)で第12回桑原武夫学芸賞を受賞。
主な著書に、『脳とクオリア』(日経サイエンス社)、『脳を活かす勉強法』(PHP研究所)、『言葉で世界を変えよう─万葉集から現代俳句へ─』(黛まどか氏との共著)、『島国日本の脳をきたえる』(ともに東京書籍)、『金持ち脳と貧乏脳』(総合法令出版)、『脳を最高に活かせる人の朝時間』(すばる舎)ほか多数。

著者情報

山崎まゆみ(やまざきまゆみ)
温泉エッセイスト、ノンフィクションライター。1970年新潟県長岡市生まれ。
駒沢大学文学部卒業。新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどで温泉の魅力を紹介し続けている。現在までに、30カ国、950カ所以上の温泉を訪ねる。
国土交通省より「VISIT JAPAN大使」(旧YOKOSO! JAPAN大使)の一人に任命される。その他、「武雄温泉大使」「にいがた観光特使 越後長岡応援団」などもつとめる。
主な著書に、『お風呂deダイエット』(新潮社)、『おひとり温泉の愉しみ』(光文社新書)、『だから混浴はやめられない』(新潮新書)、『ラバウル温泉遊撃隊』(新潮社)、『恋に効く!パワースポット温泉』(文藝春秋)、『ようこそ! 幸せの混浴温泉へ』(東京書籍)などがある。

コンテンツ

第1章 お風呂で脳が感じること
・お湯は贅沢品だった
・露天風呂の高揚感はファーストキスのようなもの
・温泉との関係は育んでいくもの
・女はいい遺伝子をにおいで嗅ぎ分ける
・温泉のライブ感
・マルチモーダルと綜合芸術
・体内におこるガッツフィーリング

第2章 お風呂で脳のメンテナンス
・入浴で脳のディフォルト・モード・ネットワークを活性化
・入浴は脳のこりをほぐすマッサージ
・リラックスするにはキャンドル風呂
・いい思い出を呼び覚ます香り(入浴剤)
・入浴は快眠の鍵
・水の流れが心身をほぐす
・熱さの刺激で快楽物質が出る!?
第3章 裸と混浴
・人間にとって「裸」とは何か
・恥ずかしさの向こうにある安らぎ
・温泉に求めるもの、男女の違い
・混浴は女に有利!?
・混浴は固定観念脱却装置
・エロスを超えた日常感
・春画と混浴の不思議な共通点

第4章 風呂コミュニケーション
・裸でのコミュニケーションで人との距離の取り方を学ぶ
・裸は人との距離を近づける
・風呂に入れば皆平等
・お風呂はぶっちゃけトークの場になる
・温泉は雑談力を鍛える場

第5章 日本の温泉文化を世界に誇ろう
・温泉宿は日本を体現する場
・世界を席巻する日本の温泉文化
・温泉は世界無形文化遺産に登録されるべき
・日本の温泉旅館の「おもてなし」は委ねる文化
・個人主義な欧米のホテルとは違う日本の旅館
・ヨーロッパ式と日本式バスタブの違い
・日本人が恥ずかしいと思っていたものこそ、実はいちばん素敵なものだった
・プライベートとパブリックの区分けの違い
・カジュアル化の最先端は旅館だった

第6章 温泉道と温泉の達人
・温泉へのリスペクト
・夏目漱石と温泉の関係
・温泉場には神が宿る
・達人がたどり着いたのは無色透明のごく普通の温泉だった
・古さと鄙びた感じが美徳
・自分が温泉化したい
・ゆるキャラと温泉の「ゆるさ」

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