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頂きへ、そしてその先へ

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竹内洋岳/著

ISBN:978-4-487-80753-6
定価1,540円(本体1,400円+税10%)
発売年月日:2013年08月22日
ページ数:176頁
判型:46

解説:
2012年5月、日本人初のヒマラヤ8000m峰全14座の完全登頂を成し遂げた、竹内洋岳。
登山とは、ルールもなければ、勝ち負けもないスポーツである。
このスポーツに挑み続けたプロ登山家は、どんなことを思い描き、どんなことを考え続けて、日本人でたった一人の14サミッターとなりえたのでしょうか。
本書では、プロ登山家・竹内洋岳が出会った63のテーマについて独自に考えたことを明らかにします。
たとえば、
「頂上はゴールではない!」
「常識だからにはだまされるな」
「恐怖は打ち消すものではなく、利用するもの」
「安全だと思い込んでいる場所こそ気をつけるべき場所」など
これらは、人生にチャレンジしているすべての人への「考えるヒント」です。
プロ登山家が頂上から見た景色のように、下から見ていた時とは違う眺めを本書で感じられるでしょう。

著者情報

竹内 洋岳(タケウチ ヒロタカ)
プロ登山家
立正大学客員教授
ICI石井スポーツ所属

1971年生まれ。東京都出身。
登山好きな祖父の影響を受け、幼少より登山とスキーに親しむ。
高校、大学で山岳部に所属し登山の経験を積み、20 歳で初めてヒマラヤの8000m峰での登山を経験。
酸素ボンベやシェルパを使用しない速攻登山のスタイルで、次々と8000 m峰に挑戦。
2012 年5月、日本人初となる8000 m峰全14 座の完全登頂を達成。
2013年、第17回「植村直己冒険賞」受賞。
著書に『標高8000メートルを生き抜く 登山の哲学』(NHK出版新書)がある。

コンテンツ

第1章あらゆる挑戦は「好き」から始まる●好奇心
1「きっかけ」について◎林間学校の登山で、山登りの面白さは伝わるのだろうか?
2「次への興味」について◎世界中のすべての山には、それぞれ独自の魅力がある
3「ステレオタイプ」について◎登山ほどすべての者にフェアなスポーツはない
4「第一歩の大きさ」について◎まずは自宅から、一番近い山を地図で探してみよう
5「歴史」について◎宗教・軍事・文化・スポーツ、多様な面を持つのが登山の面白さ
6「極限地帯」について◎ヒマラヤの山頂で、景色をゆっくり眺める余裕はない
7「学び」について◎「学び」の元は、好奇心
8「好奇心」について◎知りたいという心は、人間の根源的な欲求
9「遊び心」について◎提案者が面白いと思っていない企画を他人が面白いと思うわけがない
10「栄誉」について◎山に登ったことを「制覇」だなんてとても言えない

第2章出会いが呼び込む奇跡とチャンス●コミュニケーション
11「縁」について◎今までの出会いで一人でも欠けていれば、14座には登れなかった
12「言葉の壁」について◎言葉のつながりより、心のつながり
13「宗教」について◎外国人と理解しあうには、相手の信仰に敬意を持つ
14「チーム」について◎共通の目標が常に意識されることでチームになる
15「人間力」について◎科学の力を信じるのではなく、それを扱う人の力を信じる
16「意思決定」について◎誰かから決め方を教わるのではなく、自分で決めることを学ぶ
17「普及」について◎アイドルとエッチな漫画に私の山の特集がはさまれたことが喜び
18「影響」について◎たとえ一人で登っていても、私だけの登山じゃない

第3章審判もルールもない山の世界で●想像力
19「勝ち負け」について◎登山は、自分を見つめ直す競技
20「スタイル」について◎登山という競技の中にも、多種多様な種目がある
21「環境」について◎たった一歩踏み出すだけで、まったく景色が変わることもある
22「想像力」について◎登山とは想像力を競うスポーツだ
23「英断」について◎本気と本気のせめぎ合いほど、面白いものはない
24「時間の使い方」について◎何もすることがない時間なんて本来無い
25「常識」について◎「常識だから」にはダマされるな
26「先入観」について◎「経験があるから大丈夫」こそ、危ない
27「登山歴」について◎登山歴○年という指標に、登山のスポーツとしての未熟さを感じる
28「事故」について◎山の「公平さ」の勘違いが事故の元
29「ハプニング」について◎山登りも、日常も、何が起こるかわからないから面白い

第4章プロって何だ?●覚悟と努力
30「プロ登山家」について◎「登山家」という肩書なんて、胡散臭いもの
31「アマチュア」について◎プロにはプロの、アマチュアにはアマチュアの存在意義がある
32「契約」について◎強引に取り付けた契約なんかで、真のパートナーになれるわけがない
33「生業」について◎仕事でもなく趣味でもない「生業」を営む
34「役割」について◎プロ登山家だからこそ、山に登る以外の「役割」もある
35「準備」について◎準備中に日本で下す判断と、山中で下す判断に、差などない
36「トレーニング」について◎必要な努力を探し出す
37「健康」について◎一般的な「健康」の基準が、誰にも当てはまるわけではない
38「技術革新」について◎挑戦と失敗と悔しさがあるから、発展と進歩がある
39「時代性」について◎現代の最善を尽くさないのは、過去を作ってきた先人に失礼

第5章恐怖は避けずに利用するもの●恐怖心の活用術
40「ベースキャンプ」について◎戻れる場所があるから、厳しい環境にも踏み込んで行ける
41「危険」について◎安全だと思い込んでいる場所こそ気をつけるべき場所
42「気を張ること」について◎自分で考えることを止めると、生命感まで希薄になっていく
43「恐怖」について◎恐怖は打ち消すものではなく、利用するもの
44「五感」について◎一つの感覚だけに頼らない判断を心がける
45「平常心」について◎焦りは絶対なくならない。できるのは心の振れ幅を小さくすること
46「幻覚」について◎弱りきった人間は、自分に都合のいいことを考えてしまう
47「成功と失敗」について◎引き返しても終わりじゃない。また登ればいいだけのこと

第6章自分の生かしどころを洗い出そう●個性の意義
48「強い人と弱い人」について◎強い人が弱い人に合わせてレベルを下げるのが、優しさではない
49「個性」について◎社会もチームも色んな個性が集まっていることに、意義がある
50「順応」について◎高所に順化したというのは、低所に弱くなっているということ
51「慣れ」について◎少し慣れることで本質が見え、慣れすぎてまたそれを見失う
52「分析」について◎分析するのにあまり要素を切り分けすぎると、原型自体を見失う
53「進路」について◎「どうすれば登山家になれますか?」と聞かれたら
54「得手不得手」について◎たったひとつでも誇りを持てれば、人は変われる
登頂の記録

第7章頂上はゴールではなく通過点●最終目標
55「頂上」について◎頂上はゴールではない
56「輪」について◎山に登ろうと決めた瞬間から登山は始まり、下りてくるまでが登山
57「命」について◎何度、死にかけても、死なない限りまたやり直せる
58「運」について◎運が良かったとか悪かったとかで、済ませちゃいけない話がある
59「老化」について◎「体力作り」から「体力維持」への切り替え
60「14座」について◎14座自体に意味はない、そこに関わる人の思いが意味となる
61「日本」について◎日本に帰れる喜びを味わえるのは、日本人だけ
62「世代間ギャップ」について◎世代感覚の差があるから、未来に向けての話し合いもまたできる
63「原点」について◎14座登頂のラストに見つけたものは、子どもの頃の忘れもの


コラム「14座の山の名前の由来」