東京書籍

 

禅の世界
奈良康明,沖本克己/著 丸山 勇/撮影
  • ISBN:978-4-487-75406-9
  • 本体価格33,000円
  • 発売年月:2007-09-01
  • 体裁:  432頁(カラー192頁)
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アジア諸地域の精神文化の底流となっている禅の世界を,インド・中国・日本をはじめ各国で撮影した約450点のカラー写真とともにたどる。文化史の立場から禅を総合的にとらえた決定版。

著者情報

丸山勇(まるやまいさむ)
1936年東京都に生まれる。
1958年日本大学芸術学部写真学科卒業、映画世界社、学習研究社カメラマンを経て、現在フリー。1976~1978年のインド取材写真による写真展「釈尊の足跡をたどって」がニューデリーほかインド国内3都市で好評を博し、また同取材写真によってアメリカ・プロフェッショナル写真家協会賞を受賞。
著書:『ブッダの旅』(岩波書店)。写真集に『新編 ブッダの世界』『インド神話の謎』(以上 学習研究社)など。

著者情報

沖本克己(おきもとかつみ)
1943年兵庫県に生まれる。
1968年花園大学文学部仏教学科卒業、1973年東京大学大学院人文科学研究科(印度哲学)博士課程中退。東京大学文学部助手、花園大学文学部講師を経て、現在、花園大学文学部教授。文学博士。
著書:『くらしの中の仏教用語事典』(淡交社)、『大乗仏典・中国日本篇11 敦煌II』(共著、中央公論社)、『禅の思想とその流れ』(世界聖典刊行協会)、『禅思想形成史の研究』(国際禅学研究所)、『真締訳対校・阿毘達磨倶舎論』(共著、山喜房仏書林)、『孤高に生きる 道元』(中央公論新社)、『禅語の茶掛を読む辞典』(講談社)、『傍訳二入四行論』(四季社)、『白隠禅師を読む』(大法輪閣)など多数。

著者情報

奈良康明(ならやすあき)
1929年千葉県に生まれる。
1953年東京大学文学部印度哲学梵文学科卒業、カルカッタ大学大学院人文科学研究科(比較言語学科)博士課程修了。インド宗教文化史専攻。駒澤大学学長、総長を経て、現在、駒澤大学名誉教授。文学博士。
著書:『仏教史―インド・東南アジア』(山川出版社)、『釈尊との対話』(日本放送出版協会)、『仏教と人間』『仏教名言辞典』『新版 日本の仏教を知る事典』(以上 東京書籍)など多数。

コンテンツ

序文

I インド編

写真が語る禅I
  ヒマーラヤとガンジス
  瞑想と苦行
  ヒンドゥーの神々
  ヒンドゥーの儀礼
  釈尊と瞑想
  スリランカの森林寺院
  天の世界
  釈尊と奇跡
  礼拝の対象とストゥーパ
  マトゥーラ仏とガンダーラ仏

第1章 禅の源流――古代インド世界と仏教――
  1 瞑想とヨーガ――インド宗教の柱――
  (1) 大地に坐る
  (2) ヨーガと瞑想
  (3) ヒンドゥー世界
  (4) ヒンドゥー世界と仏教

  2 釈尊と瞑想―苦行、難行、瞑想、悟り――
  (1) 釈尊はなぜ出家したのか?
  (2) 六年難行の時代
  (3) 自我をつぶす
  (4) 世の流れに逆らう(悟り)

  3 教団と禅定――仏教教団の成立と展開――
  (1) 戒律と瞑想(禅定)
  (2) 戒律の意味
  (3) 遊行から定住へ
  (4) 僧院の生活
  (5) 瞑想法の確立
  (6) 慈悲の実践

第2章 大乗仏教と瞑想――仏教発展の諸相――
  1 仏教の2つのレベルと瞑想――「出世間」と「世間」――
  (1) 仏教の地方的発展
  (2) 出世間レベルの仏教と世間レベルの仏教
  (3) 生天と涅槃
  (4) 天界の発展
  (5) 三学(戒・定・慧)と三福業事(施・戒・定)
  (6) 瞑想と奇跡

  2 瞑想するブッダたち――大乗仏教と瞑想――
  (1) 部派仏教から大乗仏教へ
  (2) 仏塔の成立と発展
  (3) 仏塔に祈る
  (4) 仏像の成立と発展
  (5) 禅定の多様化

  3 ヒンドゥー世界の中の仏教――仏教の衰退と国外発展――
  (1) 仏教教団の外護者たち
  (2) 回向思想の変化
  (3) 仏教呪術の発展と密教
  (4) インド的「神仏習合」――観音・シヴァ・ヴィシュヌ
  (5) 『大悲心陀羅尼』の和訳
  (6) 仏教の衰退と国外への発展


II 中国編

写真が語る禅II
  パミールから
  砂漠の道筋
  砂漠のオアシス都市
  オアシスに開花した仏教
  花咲ける都
  中国仏教の確立
  北魏時代の石窟寺院
  中国仏教の成立と完成
  禅宗の成立
  達摩を継ぐもの
  北宗・南宗禅
  四大霊山
  大霊山
  禅定の実践
  清規と僧侶の生活
  老荘思想と禅
  中国五山
  中国十刹
  五家七宗
  禅宗の変容
  敦煌

第3章 仏教の伝来――異文化との出会いと融合――
  1 悠久の大地――中国仏教と文化の土壌――
  (1) はじめに――中国ということ
  (2) 砂漠と草原とモンスーン――文化交流の道筋
  (3) 南船北馬――中国の風土
  (4) 空飛ぶ神々――中国の宗教的土壌
  (5) 花咲ける都――長安と洛陽、人々の暮らし
  (6) 永遠の生命と自由――インテリと仏教

  2 仏教伝来と変貌――仏教の受容と禅――
  (1) 仏教の伝来――中央アジアの情勢
  (2) 経典の伝播
  (3) 格義仏教――仏教の受容と理解
  (4) 教団の形成
  (5) 国家と仏教
  (6) 教相判釈――宗派の形成
  (7) 成熟と完成――中国仏教の成立過程
  (8) 末世の到来

第4章 禅宗の成立――中国禅の確立――
  1 初期の禅宗――中国的仏教の成立――
  (1) 祖師西来意――達摩の仏教
  (2) 達摩を継ぐもの
  (3) 大禅定寺と曇遷
  (4) 四祖道信と東山法門
  (5) 努力せよ、努力せよ
  (6) 禅宗と疑経
  (7) 北宗の盛衰――時代精神とその変容
  (8) 安禄山の反乱――時代の趨勢
  (9) 汝の本性を悟れ――六祖慧能と南宗禅の成立

  2 禅宗の確立と展開――禅宗の社会的位相――
  (1) 禅宗揺籃の地、南岳
  (2) 禅宗における衡岳の位置
  (3) 真金鋪と雑貨鋪
  (4) 庶民への伝播
  (5) 士大夫と禅
  (6) 本来の家郷・五家の成立

  3 叢林の成立――禅宗の教団化と宗派――
  (1) 禅の三蔵
  (2) 清規制定への動き
  (3) 呪術と儀礼――禅宗の変容
  (4) 五家の宗風――禅思想のさまざまな表現
  (5) 臨済の思想形成
  (6) 臨済宗と曹洞宗

第5章 禅宗の変容――宋から元、明、清――
  1 宋代の禅宗――日本禅の源流――
  (1) 『景徳伝灯録』の成立――禅宗史の確定
  (2) 葬儀と祝聖――禅の民衆化と国家管理
  (3) 念仏と禅――融合の思想
  (4) 朱子学と禅――学問的交流
  (5) 五山十刹――官寺と統制
  (6) 臨済宗と曹洞宗――新たなる伝統の確立

  2 その後の展開――元、明、清――
  (1) 元王朝の成立と流亡の僧――禅の各地への伝播
  (2) 明・清の禅宗
  (3) 居士禅と革命――インテリと禅

  3 中国禅の波及――東アジア仏教圏――
  (1) 敦煌の禅籍――砂漠の宝庫
  (2) チベットへの伝播
  (3) 朝鮮の禅宗――教禅一致
  (4) その他の地域への伝播


III 日本編

写真が語る禅III
  日本における禅を準備した地
  浄土教成立への土壌
  兼修禅の地
  達磨宗
  鎌倉五山
  建仁時と栄西
  道元と興聖寺、永平寺
  南禅寺と京都五山
  曹洞宗の地方展開
  禅宗と霊山信仰
  源翁心昭の足跡
  僧院の生活
  僧院の一日
  禅と行事
  禅と葬祭儀礼
  禅と茶
  白隠慧鶴と松蔭寺

第6章 禅の日本伝来――変容と定着――
  1 仏教を受容した日本の風土――温和と寛容の伝統――
  (1) 日本人と自然
  (2) 宗教的寛容性
  (3) 仏教と民俗――建前と本音

  2 奈良・平安時代における実践仏教の系譜――禅宗を育んだもの――
  (1) 禅宗の日本伝来――通説と反論
  (2) 国家仏教成立の背後にあるもの
  (3) 民間布教僧の活躍
  (4) 古代仏教史における禅の伝承と「禅師」たち
  (5) 平安時代の比叡山における禅僧
  (6) 浄土教成立への土壌
  (7) 法然と親鸞

  3 中世における禅宗の成立と発展の諸相――兼修から専修へ
  (1) 鎌倉初期の禅者群像――兼修禅
  (2) 兼修禅から純粋禅へ
  (3) 大陸憧憬・天竺志向の伝統――栄西と明恵の場合
  (4) 道元入宋の原点
  (5) 道元の威儀即仏法の意味
  (6) 五山叢林と林下
  (7) 曹洞宗の地方展開

  4 禅宗の地方発展を支えたもの――禅と民間信仰――
  (1) 禅の伝承と禅宗の発展
  (2) 神祇崇拝
  (3) 祈祷と悪霊鎮圧
  (4) 禅宗と霊山信仰――禅僧と修験道
  (5) 源翁心昭の足跡

第7章 禅の生活と文化――日本的禅の諸相――
  1 僧院の生活と儀礼――修行の実際とその意味――
  (1) 僧院の生活――僧院生活の目指すもの
  (2) 僧院の1日
  (3) 自己探求の世界
  (4) 僧院生活の用心

  2 葬祭と禅宗――仏教葬法の普及と禅僧――
  (1) 葬祭を通じての禅宗の定着
  (2) 中国における仏教と葬祭
  (3) 葬祭に関わる禅宗の姿勢
  (4) 葬祭儀礼における文化変容――仏教の民俗化――
  (5) 葬祭儀礼における文化変容――民俗の仏教化――

  3 禅と文化――日本的エトスの定着――
  (1) 妖艶から幽玄へ
  (2) 悟りと表現
  (3) 無常を観る救い
  (4) 無常感から無常観へ
  (5) 花開いて世界香し
  (6) 自己表現としての禅の芸術
  (7) 「草木成仏」思想と禅

第8章 近世社会と禅宗――江戸文化の成立へ、統制と保護のはざまで――
  1 近世の庶民生活と仏教――庶民信仰の成立と変容――
  (1) 織豊政権と仏教政策
  (2) 信長と秀吉――仏教敵視から融和へ
  (3) 新しい庶民信仰の成立
  (4) 切紙伝承と民間信仰の定着
  (5) 民衆生活と禅宗文化――食生活・言葉
  (6) 政治に関わった禅僧たち
  (7) 鐘銘事件

  2 江戸時代前期――幕府の統制下における禅宗――
  (1) 江戸幕府の仏教政策と禅宗
  (2) 寺院法度と末寺帳
  (3) 大衆化のなかの仏教と禅僧
  (4) 最後の反抗――沢庵と紫衣事件
  (5) 世俗倫理を説く禅――鈴木正三

  3 江戸時代中後期――安定そしてゆるやかな下降――
  (1) 禅の復興運動
  (2) 大陸の禅の伝来――隠元隆琦
  (3) 泥と蓮――白隠慧鶴
  (4) 曹洞宗の改革――宗統復古運動
  (5) 仏教批判の諸相――改革への外圧
  (6) 近代科学の勃興――無著道忠と臨済禅学
  (7) 近世禅と諸芸
  (8) 書と詩と歌の人生――良寛
  (9) 宗旨の整理と固定

  4 明治時代――禅の近代化・国際化への歩み――
  (1) 近代への対応――排仏毀釈
  (2) 近代教団の成立
  (3) 禅の国際化とナショナリズム
  (4) 禅宗学


IV 現代編

写真が語る禅IV(海外における現代の禅)
  タイ
  韓国
  台湾
  アメリカ

第9章 現代仏教のなかの禅――禅仏教の歴史と展望――
  1 禅教団の今日と未来――禅信仰と社会――
  (1) 明治以降の概況
  (2) 禅教団の歴史的・社会的状況への対応
  (3) 仏教・禅の自己凝視
  (4) 禅信仰と社会
  (5) 未来への課題

  2 グローバル化のなかの禅――禅の今日的意味――
  (1) 西欧への禅思想の紹介と影響
  (2) 禅教団の成立と定着
  (3) 禅センターの生活
  (4) 禅寺と禅センター
  (5) 禅の移植とはなにか
  (6) 欧米における禅仏教の未来的展望
  (7) アメリカにおける禅の具体的受容
  (8) ヨーロッパにおける禅の具体的受容
  (9) 「地球化」のなかの禅

◎付録
  引用・参照文献と参考文献
  「禅の世界」関連年表
◎索引
  人名索引
  地名・寺院名等索引
  事項索引
著者紹介/写真撮影協力

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